歴史・口伝

ざっと、わた足しが学んだ範囲ですが、簡単にバイオエナジェティック・オステオパシーの概要・歴史について書いてみます。ご参考まで。


オステオパシー

オステオパシーの始まりはA.T.スティル博士。140年ほどのアメリカです。もともと西洋医学の医師でしたが、手術や投薬による治療に絶望し、手技による治療を始めました。オステオパシーの始まりです。

 

  • アメリカでは医師

オステオパシーの施術者オステオパスは、アメリカでは医師です。アメリカには手術や投薬で治療するメディカルの医師と、手技で治療するオステオパス医の2種類が国家資格として治療しています。両者とも手術も投薬もできます。※日本では医師ではありません。

 

  • 手技による治療

A.T.スティル博士はもともとメディカルの医師でしたが、子供たち家族全員を髄膜炎で亡くしたそうです。従来の手術や投薬による治療に限界を感じ、手技による治療を確立しました。対処療法ではなく、体が整えば治癒力が発揮され病は癒える。根本的な治療を行える。治癒は医師ではなく、体が行うもの。

 

  • 失われたオステオパシー

アメリカのオステオパシーはもともと手技で治療をする医師ですが、手術も投薬もできるためそちらのほうが優勢となり、現代では手技で治療を行うオステオパス医はもうほとんどいないそうです。失われたオステオパシー、本来は一体何をしていたのか?

 

  • オステオパシーの復活

古い時代のオステオパスは何をしていたのか?手の中で、何を感じ治療をしていたのか?本当の治療とは何か?それを研究し、現代に復活させようとしたのがオステオパシーのバイオダイナミクス。

 

バイオダイナミクス

 

創始者は複数の古いオステオパスから直接学びを得てきた方、連綿と続く口伝による伝承。そして、ご自身の自然界の観察、本来起きていた治療の世界を、現代に復活させました。オステオパシーの中でもバイオダイナミクスは超マイナーなので、知っている方は少ないと思います。

 

  • 9年のカリキュラム

元々はフェーズ8のみのコースだったらしいですが、誰も理解ができなかったため、細分化されフェーズ1〜9までの9年のカリキュラムとなりました。真実が出てくるのが、7年目、本質は7年目に出てきます。この世界の秩序、自然界の背景にある秩序の世界。春になったら花が咲く、そうさせるものはなんなのか?日常の感覚世界からシフトし、超繊細なリアルへ。そこから施術するのがバイオダイナミクス。

 

  • クラニオセイクラル・バイオダイナミクスとはちがう

クライアントさまにときどき”ちょっと似てる”といわれるのが、クラニオセイクラル・バイオダイナミクスです。それは、オステオパシーのバイオダイナミクスとは違うものです。

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なぜ似ているのかというと、9年のコースのうち3年ほど学んだ人が抜き取って広めてしまったのがクラニオセイクラル・バイオダイナミクスらしです。だから、同じ用語があるし、似ているかもしれないが、7年目まで学んでいないため本質が抜けている。決定的に違うのですね。そしてオステオパシーの流れからも切り離されてしまっている。バイオダイナミクスはオステオパシーなのです。

とはいえ、私がオステオパシーのバイオダイナミクスに辿り着いたキッカケの一つはクラニオセイクラル・バイオダイナミクスでした。初めて知ったのは、ロルフィングの2年目のトレーニングUNIT2でした。そこで、講師がデモでクラニオセイクラルをやっていて、不思議だし静かだし好きだな〜、と思っていました。ロルファー(施術者)に認定されたのち、2つの団体で学びましたが、ある段階から進まない、、。触れる場所は変わるけど、深まらない、意味が存在が深化しない。なぜだろう?といろいろ渡り歩きましたが、やっと見つけたのがオステオパシー。そこで、個人的にバイオダイナミクスを教えている方がいらっしゃいました。(本当は講師の資格がないので、のちに講座自体がなくなりましたが。バイオダイナミクスが教えられる講師は世界に十数人ほど。)これだ!と、ご紹介いただき9年のコースに参加することができました。

 

  • 胎生学と手の中で感じているリアル

ブレヒシュミッド博士というドイツ人の胎生学者が研究室で観察していた胎生学(受精卵から胎児に発達していく過程の学問)、”バイオダイナミクス”という胎生学があります。それは一般的な遺伝子により内側から生えてくるような発達の仕方の胎生学とは違い、外側から働きかける力によって、細胞が分裂していき完璧なタイミングで完全な成長をしていく。という発見です。超マイナーな胎生学です。その胎生学者が実験室で観察していた事実と、古いオステオパスが手の中で感じていた体の内側で働く力が、同じだった。バイオダイナミクスという名称はそこからきているそうです。

 

バイオエナジェティック・オステオパシー

9年のカリキュラムのうち、途中で名称が変わりました。バイオダイナミクスからバイオエナジェティックへ。

  • すごい世界

わたしは今で9年学んできました。振り返ると、全然違う。人生も、人も、変わりますし、変わらざるを得なかった。何か別のものになったわけではないし、”身につけたもの”というのもすこし、いや、全然ちがいます。もともとあったた世界が現れてくる、真実が現れ、嘘を解消し、世界に奉仕する。エゴは嘘を、コントロールを失いたくありません。”アイデンティティ”、それは生まれた時にあったものではなく、人生を進むうちに少しずつ、身につけてきたものです。それは、傷であり、歪みであり、、文化や学校から得たもの。本来の姿に上乗せしてきたものです。それを手放していくプロセス、真実に近づいていく。

  • 学ぶとは?

本来の姿は、純真であり、完全です。生命の働き、生命の叡智。ただ、そのままではいられませんでした。この現実世界を生き、対処し、身につけてきたもの、コントロール、必要で放せないもの。アイデンティティとはエゴです。そこから学びを得、手放していく過程がバイオダイナミクス、バイオエナジェティック。エゴは苦闘します。手放せない、コントロール下に置いておきたい。取引、奪ったり奪われたり、、恐れ。その造られた世界でしかコントロールを保てないからです。それを手放す過程が必ず必要です、その先にある真実の世界にシフトするには。真実の世界?それは、感情や思考により作り上げてきた世界により覆われてきた、リアルの世界。

  • わたしのロルフィングとの関係

わたしのロルフィングは、一般のロルフィングと違います。主に軽く触れるだけ。服を着たまま受けられ、痛くない。それは、バイオエナジェティックの手法を使っているからです。どんな理論や理屈を用いても、自然界の法則、生命の法則、に反していては矛盾が生まれ混沌が生まれます。土台となるのは、常に背景にあるのが自然界の秩序、生命の法則、それがあって初めて施術者は人に触れられます。私の施術のすべては、バイオエナジェティック・オステオパシーから行われています。