変化の記録


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セッションの記録 歩き方

セッションの記録として、動画撮影をしました。

「セッション1直前→セッション10直前→セッション10直後 」の順番に歩き姿が再生されます。

■下記に「セッション1直前」と「セッション10直前」の静止画での比較をまとめました。

同一人物とは思えない。。ダンサーみたい!

  • セッション1直前

上半身は左に傾き、それを補って頭も傾けて歩いています。首〜頭を固めて歩いていますね。そして、その下半身、は骨盤は左に傾き、左の鼠蹊部〜左の腹腔を縮めて歩いています。

全体的に見ると、猫背で胸の空間を圧迫し、歩幅が狭く歩いています。

空間的にみると、視界が狭く、全体的に内側に向かって縮こまっている雰囲気がしますね。

  • セッション10直前

まず、印象的なのが軽やかさ、雰囲気の軽さ、広がり。

頭が自由。安定しています。

背骨がスーッと軽やかに伸びています。その体の中心軸から周囲に放射するように空間の広がりを感じます。

上半身は、背中の広さ、胸郭/腹腔、体の内側の空間が広がっています。呼吸が深くなっていることはまちがいないでしょう。内臓空間が広がっていますので、内臓の働きも変わっている可能性は高いと思います。

セッション1直前の動画で見られていた体の歪みがずいぶん緩和されていますね。

歩き方は、上半身がスーッと通って安定しています。そして、下半身は歩幅が広がり、歩みに調和して上半身は中心軸から(でんでん太鼓のように)回転の振り子の動きのような連動した動きが生まれ、体全体がエネルギーのロスなく前に進んでいきます。

  • セッション10直後

ロルフィングの10シリーズ完結です。セッション直後ですので、日常の動きよりふわっとした動きになっています。足の運びは、『膝が自分を連れて行くような、とか膝を曲げた時にフラッシュライトが前方にピカッと放射されるようなイメージ』(前方に頭から突っ込む動きが得意だったので、下半身から進むという意図で)を新しいオプションとして提案をしました。この動画撮影時はそのイメージはもう忘れて本人は普通にあるいているのですが、体の使い方としてはまだクリアに身体に記憶されている様子が伺えます。そのため(セッション直後ですので、)普段よりぎこちなさを感じますが、日常に帰り、重力の中で生活をするなかで身体が調整していくことを考慮しています。(重力の中での身体の調整力。こうやって、セッション1〜10まで、各セッションの間の期間、その後の日常も変化の期間として考慮されてきた、変化が積み重ねてこられたのです。)そのうち、新たな選択肢として得た情報を吸収/調整しながら、また新たな身体へと変化は続いていくでしょう。

 

シリーズは完結しましたが、1〜10までの変化の積み重ねは、その後半年から1年ほどはさらに継続して変化し続けると言われています。あとは、クライアントさまご自身の身体との対話。もしかしたら、別のボディワークやセラピーと出会うかもしれません。それとも、さらなる変化を求めてロルフィングのポスト10(10回ではなく単発)セッションを受けに来られるかもしれません。ご自身で選択し、次の段階に進んでいかれることでしょう。


セッションの記録  A.I.さま

左がセッション1開始前、右がセッション10直後の写真です。2つ目の写真を見ながら、色つきのラインで構造を説明してみましょう。

【図1】


  • セッション1:全身は上下に圧縮されていることが観察できます。

後頭部と首の付け根、腰部〜仙骨、膝の裏、それぞれの長さを見てみると、圧迫されてカーブがきつくなっています。そのため、顎が前に突き出され、頭頂はまっすぐ上を向いていません。上半身は骨盤を基準に前に押し出されています。また、骨盤の下側をみると、太ももの裏は緊張し短くなっています。(バランスを取るために太ももの表側も緊張させていますね。)膝の周辺を注目してみると、前面、背面ともに緊張があり、膝を圧縮しています。

 

【図1】に代表的な筋膜のラインのうち、表層の2つを描画してみました。この2つの筋膜のラインは互いにバランスをとっています。2つ目の写真を見てみると、セッション1の方では、青色のライン全体が短く緊張していることがわかります。それとバランスを取るように赤色の前面の筋膜ラインも緊張し短くなるため、全身は上下に圧縮されてしまっています。

  • セッション10:全身の圧縮傾向は改善し、上下の伸びとバランスのよさ、皮膚にも適度なトーンが感じられます。重力は身体の中心をより通り抜けやすくなっていますね。

頭の支え方がラクになっています。骨盤の上下をみてみると、特に背面(腰のあたりの圧縮が減ってラクに伸びています。また、太ももの裏の筋肉も緊張が解けラクに伸びていますね。)のきついテンションが減っています。膝の辺りの筋肉の緊張度も減り、スネの骨に大腿骨がバランス良く乗っかっている様子がわかります。

 


セッションの記録  R.K.さま

この方の例では、手術痕あたりの骨盤の流動性・安定性の回復が全体の変化に繋がっていく大きな流れが観察されました。

表層の組織の柔軟性が得られる(表層のセッション1〜3)→深層の歪みが浮かび上がってくる(深層のセッション4〜7)→全体としてまとまりのある状態に統合されていく(統合のセッション8〜10)。


◇ ベーシック10シリーズ 変化の記録


  • セッション1
    • 全体的に表層の組織が緊張し身体全体として縮こまった印象があります。
    • 特に骨盤に広がりがなく、そのために上半身がサポートを得られていません。このため、肩も緊張し、呼吸が浅いであろうことが想像できます。その他、体内空間は狭く内蔵の自動運動には制限があることが想像されます。
  • セッション5
    • この段階では既に表層の組織には柔軟性が見られ、コア(深層)の組織が扱われ初めています。そのため、セッション1の時点では表層が固いために見えてこなかったコア(深層)の歪みの様子が観察できるようになっています。
    • 骨盤には次第に広がりがみられ、足からのサポートが上半身に伝わり始めていますが、手術痕・骨盤辺りで途切れてしまっています。この辺りのコアの歪みが全身に影響していたのかもしれません。
  • セッション10
    • コアの歪みが随分解消され、足からのサポートが骨盤を通り抜け頭までスムーズに流れています。足がしっかりとし、お腹や肩周辺もラクになり体内空間にスペースが見られます。呼吸もより深くゆったりしているであろうことが想像できます。
    • セッション10では、変化が大きく落ち着くまで少し時間がかかることが予想されるセッションとなりました。まだ変化を十分に吸収するための時間がとられておらず、身体は緊張気味です。このため、変化の観察のための写真は正面以外はセッション10の直前(セッション9から2週間後)を使用しました。 

次に、身体を左右半分に分けてみてみましょう。それぞれ円筒があるとイメージしてみてください。

  • セッション1では、円筒は細くぎゅっと縮まっていますね。
  • セッション5では、円筒は広がりゆったりしてきました。しかし、骨盤・手術痕辺りで歪みが見られ、足からのサポートが途切れてしまっています。この段階にはいると、セッション1では見えてこなかったコア(深層)の歪みが浮かび上がってきました。
  • セッション10では、骨盤あたりで止まっていた流れが上半身にまで伝わりだし、左右の歪みが緩和されている様子が観察できます。右脚は右半身を、左脚は左半身をサポートし、身体の正中線がハッキリとみられますね。足からのサポートが頭まで伝わり胸の辺りやお腹によりスペースが生まれています。呼吸や内蔵の働きへの制限も緩和されている可能性はあるでしょう。


  • セッション1、5では骨盤が右に傾き、腰の辺りの背骨が少し湾曲して見えますね。上半身が右にズレているように見えます。
  • セッション10(直前)では、身体を左右半分に分けてみると、両足が片方ずつそれぞれの上半身を支えるようになってきており、より効率のよい立ち方をしていることが観察されます。

解放、変化と「緊張が高まる」ということについての考察

  • セッション10で起きた事

セッション10の直後(正面)の写真では、クライアント様は少し緊張状態にあることが伺えます。右手を少し握りしめ、セッション前より肩を幾分すくめた印象でした。

なぜセッションを受けた後で緊張状態が高まったのか?

これは神経系という観点から考えてみることができます。

 

私の手技では基本的に軽く触れるだけですが、身体(神経系)には多くの情報として受け取られます。

そして、身体(神経系)には安全に受け取ることのできる情報量には許容範囲というものがあります。

それを超えて多量の情報をインプットしすぎてしまうと、解放は起こっても統合は起こりにくくなってしまいます。つまり、神経系は解放のための作業に圧倒され、身体に吸収され・新たにシステムを構築するための余力がなくなってしまうのです。

 

このため、セッションで行われる施術は多ければ多いほどよいというわけではないのです。インプットする情報の許容範囲を見極めること、セッションのペースやタイミングも大切な要素となってきます。

 

情報量が許容範囲に近く達してきた時、クライアント様はどういうことを体験するのでしょうか?

今回のセッション10では「なんだかソワソワする。」というフィードバックをいただきました。

また、ある別のクライアント様の場合ですと、涙が少し流れるということもありました。

このような「事件」が起こると、印象は強くセッションを受けて効果があった感がより持てるかもしれませんが、本来はこのような「事件」は感じる必要もなく、静かに、少しずつ日々の生活の裏側で起こればいいのです。そちらの方がより身体には統合されていくことでしょう。

 

私が個人的に(ロルフィングに限らず)このセラピスト・ボディワーカーはすごい、と思う方々に共通する点は「自己調整の能力を高め、身体が自身で変化・調整していく事」を大切にしていることです。そのため、即効性を感じることは少なく、セラピストとしてその時点ですぐに評価を得ることはなかなか難しいかも知れませんが。。。セッション後も継続して行く変化、身体に任せる事、半年後、数年後のことを考えています。


  • 神経系の活性化を無視すると?

この神経系の許容範囲を無視し、情報をインプットし続けるとどうなるのでしょうか?

神経系の緊張状態は高まり(興奮、活性化)続けます。そしてある時点を超えると神経系はその負荷から解放されるために、ぼーっとした状態(乖離状態)になります。この時点では身体は脱力し、ボーッとしたり、無感覚になったりしますが、神経系は非常に高い活性化状態にあり、フルに活動し高いエネルギーを使い続けています。

この状態が常態化していると社会生活が辛いです。

 

一方、通常の安定した神経系の状態とはどういう状態でしょうか?

活性化は低く、この状態にあることで社会性を持った活動ができ、自由に動ける状態。ラクです。

健康な神経系とは、低い活性状態にあり、何かのキッカケ・危機的状況で活性化が高まっても通常レベルの活性化状態に自然と戻って来れる柔軟なシステムを持っています。

一方、うまく自己調整が働いていない神経系では、少しのキッカケで一気に活性化状態が高まり、なかなか通常レベルに戻って来れないパターンを持っています。

これを少しずつ、少しずつ。ホントに少しずつですが、柔軟な神経系・自己調整の能力のある状態にシフトさせていくセラピーがSE(ソマティックエクスペリエンス)です。

 

60年代、70年代あたりに一時とても流行ったセラピーとして、「大声で叫び続けたり、椅子や枕を殴り続けたりして自己を解放する」というようなものが多数あります。これらは神経系の観点から見ると活性化を上げ続けて乖離状態にさせるということをしています。この乖離状態になると、「全てから解放され、すべては解決された。こんなにラクになったことはかつてない。」ような感じがするかもしれません。しかし、神経系は異常に高い活性化状態にあり、エネルギーを使い続けています。高い活性化状態、乖離状態ともにそのままでは生きて行くのが大変です。常にイライラした状態や、不安感、ボーッとしてうまく対応できない状態。

このようなセラピーを繰り返すということは、神経系を不安定な活動パターンにする訓練をしているようなものです。その場ではとてもいい感じがしますが、なかなか大変な神経系を手に入れてしまう事に繋がりかねないのではと思います。

 

正直なところ、昔ちょっとやってみたことがあるのでその「いい感じ」や「完璧な自分の感じ」は知っているのですが、もうゴメンです。。

 

大切なのは自己調整の力を得る事。

どんなに大変な状態になっても、また大丈夫な状態に戻って来れる。その事は何か安心させてくれます。


セッションの記録  M.K.さま

ロルフィングベーシック10シリーズの変化の記録を写真に撮りました。セッション毎に変化していく様がご覧頂けるでしょうか?

 

さらに、10シリーズ完結後、特にセッションを受けることなく4ヶ月経ったときの写真を追加しました。何もしていないのに変化が継続していく様が見て取れるかと思います。 


◇ ベーシック10シリーズ〜完結後4ヶ月まで

  • セッション1〜シリーズ完結後4ヶ月までの変化の記録です。

※セッション完結後、ただ時が経つにまかせた結果です。この4ヶ月の間にクライアントさまはワークを受けていません。

  • セッション1 なんだか身体がジグザグでバラバラな感じがしますね。少し頼りなさげな印象を受けるかもしれません。

上半身は正面を向いていますが、下半身は右を向いている捻れが観察できます。写真の水着の紐あたりから下を手で隠して見ると、上半身は正面を向いていることが分かりやすいと思います。

  • セッション3 表層の組織を扱い終わりました。変化が着実に積み重なってきていますね。まだコア(深層)は扱っていないので、なんとなく力が入っている感じが見受けられます。少し頑張って立っているような印象です。
  • セッション10 ロルフィングのプロセスの完結です。内側から発するような柔らかく穏やかな印象を受けます。全体的に柔軟であり、リラックスしていますが何かスッと「通った感じ」がします。全体が重力下で楽な居心地をみつけられて来たようですね。重力に委ねられることで上への方向性が出てきています。
  • 完結から4ヶ月 足からのサポートが背骨を通して頭までスッと繋がっています。頭を通り抜けてさらに上へ流れているようにも見えます。ちょっと痩せたように見えますが、体重は変化していないそうです。

◆クライアントさまのコメント◆

 

  • 10シリーズ完結

体重、やっぱりそうなんですね~。結局、ずっとほとんど変わっていなかったことになるけど、これだけ違うとは。。

  •  完結から4ヶ月後

(シリーズ完結からの4ヶ月間は)変わってる実感は全くなくて、体重も変わっていなかったので、写真を見てしゅっと上に上がってるみたいに見えてびっくりしました。


セッション1の前では表層の組織が固そうに見え、同時に全体が弛緩(特に顔が浮腫んで大きく見えます)しているようにも見えます。一見ひ弱な印象を受けますがセッション1〜10〜4ヶ月後まで、体重はほとんど変わってないとのことです。

 

(ちょっと実験してみましょう⇒)

 


 

人の身体ってすごいですね。自己調整の能力。それを信じてやっています。

半年後、1年後、さらに数年後。そこでの変化が楽しみですね。

本当の変化とは、静かに、ゆっくりと起こります。