トラウマワーク


『トラウマとは、神経系に閉じ込められた未解放のエネルギーである。過去の出来事そのものにあるのではない。』

 

ーピーター・リヴァインー

 

 

神経系を巡る未解放のエネルギーを解放することができれば、それに紐付いた生理現象、感情や思考、つまりトラウマは解放することができる。

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トラウマとは、個々の出来事の記憶などにあるのではなく、そのとき神経系に起こった活性化を適切に解放できず、そのエネルギーが今でも身体の中(神経系)を駆け巡っている、そのことにある。つまり、その神経系を巡る未解放のエネルギーを解放することができれば、それに紐付いた生理現象、感情や思考、つまりトラウマは解放することができる。

※その解放は、一気にやると逆に神経系を圧倒し、再びそのエネルギーを凍りつかせてしまう。再トラウマ化です。そうではなく、身体が解放し「統合」する時間をもてるように、大丈夫な状態にベースが移っていくように、ゆっくりと、安全に行われることがキーです。

 

トラウマと神経系についてのQ&A

トラウマって文字にして読むとややこしいですよね、、。ゴジ子さん(仮名)とのQ&Aを「こちら」のページに書いてみました。ちょっとは読み易くなったでしょうか。。

 このページの目次


ソマティックエクスペリエンス(SE)

 

ソマティック・エクスペリエンス(SE)とは

 

  • 神経系を健康な状態へ回復していくためのトラウマワーク

トラウマといっても心の問題に焦点を合わせるのではなく、人の神経系を扱い「身体感覚」に焦点を当てます。神経系の活動を健康な状態に回復していくワークです。

 

  • このワークの創始者はロルファー(ロルフィングの施術者)でもありました

ピーター・リヴァイン博士です。

 

  • 未完了のエネルギー(トラウマ)

- 動物には生存ために脅威と出会ったとき次の3つの戦略をとります。

「逃げる、戦う、凍り付く(死んだ振り)」

この3つに優劣はありません。すべて生存のために同等に必要な行為です。

- この3つの状態にあるときの神経系は活性化し、高いエネルギー状態となっています。戦い、逃げるときだけでなく、凍り付いているときにも高いエネルギーを使い続けているのです。

- このうち、「逃げる、戦う」戦略を取ったとき、その行為が終わるときには身体はエネルギーを使い切り神経系は落ち着きを取り戻します。しかし、「凍り付く」戦略を取ったとき、その状態から戻ってくるときにもエネルギーを使い切りる必要があります。野生動物を観察するとこのとき身震いするなどしてエネルギーの解放を行うのですが、人の場合それをやり損ねてしまうことがあります。このとき、高いエネルギー状態は維持され続け神経系の中を回り続けるのです。

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人間は大脳が発達しているため理性によって、この自然なプロセスを止めてしまうことが多々あります。

この場で泣いたり、震えたりするのは恥ずかしい、あるいはそれを行っている人を親切心や文化的基準から邪魔してしまう、階段から転げ落ちた人を(本人が状況確認ができて震えが起こりエネルギーを解放する前に)すぐに助け起こしてしまう、など

 

  • トラウマのある人とは

トラウマのない人などいません。その程度に差があります。

トラウマのきっかけとしてはあらゆることがあり得ます。落下、麻酔、手術、誕生の仕方(吸引、帝王切開など)などなど。

すべての有機体は拡張と収縮を繰り返し安定を保ちます。拡張のみだったり、ずっと一定だったりすることはありえません。トラウマを受けた人の神経系は刺激に対する安定した活性化、非活性化がうまくいっていません。

*神経系の活性の状態と、自身の考え方や心の状態も連動しているようでした。

 

  • タイトレーション(少しずつ)

神経系の働きを安定した正常な状態にシフトしていきます。

このシフトには時間がかかります。ゆっくり、ゆっくり。少しずつ。身体(神経系)は変化していきます。急激な変化には反動があります。

*はっきりいつ大丈夫になったという境目があるものではなく、気がつけば以前と比較すると確実に大丈夫になってきている。。というような感じでした。

 


  • わたしの2年半に及ぶSE体験

わたしは、SEを継続的に2年半ほど受けていたことがあります。そのときは、まだ日本に二人しかプラクティショナーがいない時代でした。たしか、2010年の終わりから。 

 

その頃は、働いてはいるが、人との会話、コミュニケーションがまったくできない状態でした。電話でも受けようなら汗ダラダラ、震えてくる。会話しようとおもっても喉が締め付けられ、言葉が出てこない。目が痛い。誰かに会おうとすると、着くまでに吐くし、鼻血出てくるし。もう、身体がそうなのだ、どうしようもない。(このときは、そんなことはわからず、自分のせいだと思っていました。周りからいろいろ言われてきたこと、それは、普通の人にはわからない身体の制限でした。)

 

不自由なのは、あなたのせいではない。身体がそうなのだ、今は。それは変わり得る、必ず。なぜなら、生きているから。人にはその回復の力が流れています。それを表現できるようにすること、それがボディワーカーやカウンセラーの仕事です。

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SEを受け始めるきっかけは、2010年12月にブラジルに行ったことでした。そこで、ロルフィングの最終トレーニング、ユニット3の講習があったのです。地球の裏側、そこを選択するか非常に迷いましたが。。

そこで、わたしはロルフィングの資格を得ることができませんでした。条件付きの合格。条件を日本でクリアすることで、認定証をもらえることに。

理由は、人とのコミュニケーションが難しいこと。クライアントさまと実際の施術でやりとりすることができない、そのことを解決する必要がある、私はトラウマを大きく抱えておりそれを解決してからだ、そういう指摘でした。その講師は心理セラピストでもあり、SEのプラクティショナーでもありました。(ロルフィングのコミュニティでは心理の大家です。)そこで、トラウマワークであるSEを勧められたのです。


結局、それから、認定の条件をクリアするまでに3年半かかりました。


まず、SEのセッションを受け始め、2年ほどで外の世界になんとか出ることができるようになりました。それまでは、ひとり。海外でトレーニングを受けましたので、ロルファーのクラスメイトはおらず。日本では孤立した存在でした。そして、仕事以外では部屋に閉じこもり、身動きできない状態でしたので人とのやり取りはほとんどゼロでした。それまでの友人たちもゼロになった。そのころの自分の描写は、自分を円の中心に世界のあらゆるひとは等距離にいる、どの方向に手をのばしてもとどかない世界。SEのセッションルームだけが本当の世界、プラクティショナーの方だけが本当の人、しかし、それは仮の世界、仮の人、仮の関係性。嘘の世界。

SEのセッションを受け始め、2年が経つ時、どうしてもそのセッションルームの世界から外に出て行きたくなりました。そう思えるようになった、それは、SEを受けることにより、少しずつ少しずつ、神経系、身体が変容していったからだと思います。身体とこころはつながっていると思います。

SEの変化は、ゆっくりです。変化は気づかないところで少しずつ少しずつ起こって行きます。とくに、外界からの刺激に対して耐性のない段階では、この少しずつというタイトレーションが大切です。じれったいほど変化はおそい。しかし、それが最速なのです。わかりやすい、その場での大きな変化は、解決には繋がりません。むしろ、時間の経過と共にトラウマを増幅させることがあります。


変化していることに、その場では気づかない。が、振り返ってみると以前と全然違う。それが本当の本質的な変化なのでしょう。


外界にでられるように、少しずつ、なってきました。吐きながら、鼻血出しながらですが。。そして、やっとボディワークのワークショップに参加できるようになってきました。やっぱり、吐いたり鼻血出したり、ぼーっと乖離したり、フリーズしたりしながら。。この頃もSEは受けていましたが、頻度はずっと減って行きました。

(そういえば、2年半の間に3ヶ月ほど受けるのをやめた時期が2回ほどありました。いやになったことがありました。けど、それしか手がかりがなかったので、また受け始め、外界に出られるところまでやってきました。)

ここからが、ボディワークによる変化の始まりです。神経系に限定されていた変化から、身体の全体の変化、身体の内側にある、癒しの力の発揮による変化の始まりです。そこに辿り着くまでに、SEが必要でした。でなければ、敏感すぎてボディワークは受けられなかったでしょう。

ボディワークを勉強しはじめると、自分の身体も変わってきます。学ぶということは受ける機会も多くなりますし、繊細な領域のワークでは、受け手だけでなく施術者も変化します。『場』の影響力でしょうか。


その学びの変遷は、

まずはロルフィングのイールドワーク。呼吸が全身に染み渡り、細胞レベルでの振動、あらゆる関節の位置関係が均質化した肉体のなかで再調整されていきます。  あるワークショップでのこと、交換セッションで受け手側に回っているとき、『心臓がゆれる』という経験をしました。横向きによこたわり、骨盤に触れられている時に、胸郭の中、心臓が一瞬わっーっと激しく震えたのです。術者の方に後で聞くと、見た目も身体が震えていたとのことです。このことは、変化の大きなきっかけとなったようで、一段階身体が変わった、という経験になりました。

 ※身体が震える、という現象はロルフィングのセッション中にときどき見られる現象です。触れられているところとは全然別のところで起きることが多いです。

そして、私のロルフィングのセッションが大きく変わったのもこの頃です。それまでは、受け手の方に服を脱いでいただき、強い圧力で皮膚を滑らせるようにストロークする、という手技を用いていましたが、このとき以降、イールドワークの手技でもある、服を着たまま、軽く触れるだけで身体の内側からの変化を促す、というスタイルに変わって行きました。


軽く触れるだけなのに、不思議です。


近年では。さらに深い領域を扱うバイオダイナミクスの学びを深め、そちらをセッションに取り入れています。 ※こちらも服を着たまま軽く触れるだけです。

(話が長くなってきたので、そろそろこのへんで。。)

このように、外界に出られるまではSEにより助けられ、その後はイールドワークやバイオダイナミクス、ロルフィングを学ぶうちに体は変化をつづけてきました。それにより、自分自身が回復していくこと、生きていくこと、それがわたしが辿ってきた学びのプロセスです。

その中心にあったのは、やはり、ロルフィングでした。

 


トラウマ解放のサイン

 

ツーっと涙が流れる、深呼吸、血行による顔のほんのりした赤み、筋肉のピクピクした痙攣のような動き、などなど。

 

※ここは大事なポイントですが、ツーっと涙を流すのは、激しく大泣きするのとは真逆の現象です。  ある種の解放ワークをうたった自己啓発系のワークでは、激しく泣いたり暴れるに近い動きをしたりして解放させるというやり方をするようです(かつて、わたしもやったことがあります。。)が、これは神経系の観点からみると、ロルフィングとは真逆で、よけい体の調整能力を損ねます。まるで、解放されたかのような脱力感と疲れを感じるでしょう。しかし、これは統合して良い方向に向かいません。こういったワークが繰り返されると、むしろのちのち調子を崩していきます。 

 

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(そして、激しい解放ワークには、キリがありません。なんども何度も通うけれど、しばらくしたらまた必要になってくる。。)

わたしはソマティックエクスペリエンスを勉強したことがあります。そこで知り合った心理士さんからもそういう解放ワークで調子を損ねるかたが多いという話はよく聞きます。

本当の解放の際にはほーっと休まる方向に向かいます。そして、さらにロルフィングではその後の統合に向けて体に必要なサポートをしています。たとえば、身体が安定していくような足からのサポート、骨盤の安定、胸郭の広がりによる呼吸の広がり、などなど。その後の統合を身体から支える、解放を受け取るための器(安定した身体)を用意しています。身体と心はつながっている、ロルフィングは統合を目的としています。それが真の解放につながるでしょう。

本当に大切な事は、安定した身体と神経系、解放の後の『統合』なのです。

 


ロルフィングの優位性

 

ロルフィングが特化しているのは、解放と同時に身体の『構造』が変わっていくということです。

 

大地からのサポートの充実は安心感を生み出します。胸郭の柔軟性による自由な呼吸は落ち着きを生み出します。構造が安定していくと心も落ち着く、、統合のための大きな器ができていくのです。

 

※ロルフィングはトラウマを扱うことは目的としていません。身体の構造の安定化、重力と身体との調和を目指しています。

 

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さまざまな手法による身体からのトラウマの解放の後に起こること、そこが大切です。解放の後に神経系が再び乱れたり、より悪いパターンに移行するのではなく、安定して外界からの刺激にも柔軟なパターンを作れるか、そこが焦点です。解放だけ見ているようでは不十分、もしくは危険かもしれません。身体のシステムが再構築され、統合される。そこが大切です。

 


参考資料

 

  • 神経系の活性化、脱活性化について

http://ameblo.jp/rolfing-taro/entry-12158173088.html

 

  • 電子書籍

『とても簡単!自律神経セルフメンテナンス:神経のしなやかなはたらきを取り戻す』(浅井 咲子・田島 功 著)
http://ratik.org/4678/907438135/
日常で役立つエクササイズです。神経系の自己調整の能力を取り戻していくというもの。そして、神経系の仕組みについて、簡単にわかりやすく解説しています。

 


トレーニング歴

  • 2015年8月 ソマティック・エクスペリエンス(SE)トレーニング1・2(札幌)
  • 2016年3月 ソマティック・エクスペリエンス(SE)トレーニング2・3(札幌)

神経系の仕組みとトラウマ化

トラウマには、「凍りつき反応」という神経系の反応が大きな原因となっています。

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凍りつき反応とは、いわゆる動物の”死んだふり”です。動物は危機に直面した時3つの生存のための作戦を持っています。逃げる/闘う/死んだふり、の3つです。

「死んだふり」の状態は、一見動きがなくラクそうに見えますが、、実は「逃げる/闘う」よりずっと大きなエネルギーを消費しています。 死んだふりから回復する時、そのエネルギー解放のプロセスに失敗するとトラウマ化されてしまいます。

 

神経の高ぶりと、トラウマ

神経の高ぶり、それは危機的状況の世界に取り残されているということと同じ状態。

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危機への直面と神経の高ぶり

動物が危機に直面した時には、神経が高ぶり「逃げる/闘う/死んだふり」という反応をしますね。つまり、神経が高ぶっている時とは危機に直面している状況と同じです。

危機的状況、日々がしんどい

神経が高い活性化で維持されてしまい、その状態で日常を過ごしていると、、常にイライラしていたり、不安であったり、、恐怖を感じていたり、、人とうまくコミュニケーションがとれなかったり。いわゆるトラウマを抱えている状態となります。それは、今もあなたが危機的状況の中で世界を生きているからです。

安心安全な世界

神経系が落ち着き、日常を安心安全に過ごせること。これがトラウマワークの目的です。

 


神経系の仕組み、活性化と脱活性化

神経系とトラウマは密接に関係しています。危機に出会った時の神経系の働きを解説しましょう。

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・紺色の線:神経系の状態を示しています。
・緑色の横線:3つの神経系の状態を分けているエリア(赤丸①〜③のエリア)
・縦軸が活性化の度合い、横軸が経過した時間を表します。

 

①脅威に出会った時

動物が脅威に出会った時の神経系の反応です。

【図1】神経系の活性化

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神経系が活性化(逃走/闘争反応)し続けてエネルギーの限界値を突破すると仮死状態(凍りつき反応)になります。

①:安全安心モード
ある草原で動物が草を食べてゆったり過ごしています。のどかです〜。

(通常状態であっても、神経系は活性化と脱活性化を安定した状態で繰り返しています。周りの環境の多少の変化によって少し活性化しては、安全であればすぐに脱活性化する、というサイクルですね。)

①と②の境目:キッカケ
すると、バタン!と音がしました。 (交感神経が活性化され、ます。)

②:逃走/闘争
トラさんですやん!めっちゃ逃げます。 (神経系がますます活性化します。) 逃げろ〜!、、寅さん(?)まだ追いかけてくる〜、、まだ、まだ、まだ、、(神経系の活性化はズンズン上がり続けます。)

②と③の境目:シャットダウン
もうアカン〜。。バタン、、死んだふりします。 (交感神経の活性化の限界値を超えたのです。)

③:凍りつき
フリーズ状態、凍りつき反応をしています。死んだふりですね。。トラさんどっかいってくれないかな?

 

②脅威が去った時

死んだふり(凍りつき反応)から生き返ります。

【図2】神経系の脱活性化

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神経系に溜まっていた高エネルギーを(震えなどで)放出して、活性化を下げていきます。

③凍りつき:
死んだふりをしていたら、敵が興味をなくし去っていった。
(日常に戻る、生き返るためのプロセス(神経系の脱活性化(解放))がスタートします。)



②脱活性化:
震えたり、手足を動かしたり、涙を流したり、、。一気に終わらず、しばらく継続していきます。。
(神経系に溜まっていた高エネルギーを徐々に解放していきます。)



①安心安全:
死んだふりから完全に生き返ります。ぴょんっとどっかに行ってしまいました。。と思ったら、何事もなかったかのように草をむしゃむしゃしています。。日常の安全安心モードに帰って行きました。
(溜まっていたエネルギーを全て放出し、活性化の度合いは日常の安心安全なレベルにまで下がったのです。)

 


動物の脱活性化の様子

凍りつき反応から生き返る際、震えや、逃げる行動を完了させるかのように手足を動かしたりして脱活性化を達成します。

11:40から、しろくまをヘリで追いかけ、麻酔銃を打ち込みます。 13:18あたりで、しろくまが麻酔から覚める様子が撮影されています。

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身体システムのシャットダウン

ヘリで追いかけられ、交感神経は高い活性化状態となります。その後、麻酔を打たれることでシステムはシャットダウンされます。このとき、交感神経の高い活性化は解放されないまま閉じ込められ身体システムの中で回りつづけています。

脱活性化(目覚めへの解放)

麻酔から覚める時、しろくまはしばらくの間、震え続けます。これをdischarge(脱活性化)といい、閉じ込めれれていた神経系の高い活性化を解放しているのです。 自然界の野生動物はこの脱活性化を自然と行い、神経系の活性化レベルを通常状態の健康な状態にまで戻します。


脱活性化の失敗、トラウマ化する

トラウマ化してしまうのは、神経系に溜まっていたエネルギーの脱活性化に失敗した時です。

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脱活性化に失敗すると、神経系に溜まっていた高エネルギーが解放されず、身体内に閉じ込められてしまいます。

健全なプロセスでは、脱活性化が完了される

図1、図2で示したように、脅威に出会った際に神経系は活性化しエネルギーが高まります。そして、脅威が去った際に自然と震えなどの脱活性化のプロセスを経てエネルギーは解放され日常に帰ってきます。

脱活性化の失敗、大脳の発達した人間

しかし、この脱活性化のプロセスに失敗することがあります。それは、人間が大脳の発達した存在だから、脱活性化のプロセスを完了させてあげずに途中で止めてしまうことが多々あるのです。

たとえば、滑って転んだ、、けど、人の目があるしすぐ立たないと。とか、電車の発車の邪魔になるから、とか。

本当は起こるはずのこと

本当は、呆然とした状態でしばらくじっと座っていると、、震えが起きたり、涙が流れたりといったプロセスが始まり、、しばらく時間が経過したのちに徐々におさまっていきます。すると、全ての神経系に溜まったエネルギーを解放し終わると、何事もなかったかのように日常に帰られるのにです。

 

トラウマとは、危機的状況から抜け出せない神経系

24時間いつでも危機的状況にある身体。

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凍りつき反応からの自然な解放のプロセスを完了させてあげなかった場合、それは神経系の中に閉じ込められ、常に、24時間いつでもエネルギーを消費し、危機的状況にある神経系のままで過ごさなければならなくなるのです。これが、トラウマです。

トラウマとは、出来事そのものにあるのではなく、神経系に閉じ込められた未解放のエネルギーなのです。

 

心理や感情と、トラウマと神経系

心理や感情や思考などは、体の状況に密接に関連しているのではないでしょうか?

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体が常に危機から脱していない、、そのときに考えることや感じること、それは安心安全な健康な身体で感じ考えることとは違うでしょう。

『それは、あなたのせいではない。身体がそうなのだ。』それが私の経験から言えることです。

トークセラピー、SE、ロルフィングの違い

トークセラピー、SE、ロルフィングの違い

感情や思考を扱うトークセラピー、神経系を扱うSE、人間の全体を扱うロルフィング。この3つは扱っている領域が違います。

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トークセラピーは思考や感情に焦点を当てる(大脳)。SEは神経系(脳幹)。ロルフィングは体の全体(人の存在の全体)。

トークセラピー

言葉によるセラピー。感情や思考を扱い、考え方を変えたり出来事の原因に遡り理解して解決しようとする。しかし、身体に残ったトラウマには届かない。

 

言葉では、脳幹に届かない

 

ここで扱われているのは、感情や思考を司る領域です。大脳ですね。しかし、言葉により対話してのワークは、大脳には届いても、脳幹には届きません。脳幹とは、爬虫類脳とも言われる進化の過程で一番古くに発達した脳の領域です。ここには、言葉や言語ではアクセスできない、身体の感覚でしかアクセスできない領域です。つまり、身体に残ったトラウマは、言葉でのセラピーでは取り除けないのです。

 

 

原因探しは、プロセスを止めてしまう

 

いろいろなタイプのワークがあり、いいものもあると思いますが、、個人的な感覚では、このタイプのワークを受けられているクライアント様には、変容へのプロセスを、引き戻してしまおうとする力が働くような感触があります。よくあるのが原因探し、誰が悪なのか、悪いものは何なのか。それを突き止めて排除しようとする。、、。これは、バイオダイナミクスの観点からいうと、うまく働きません。これをする度に、変容のプロセスは引き戻され、同じ過去の習慣のレールに乗ろうとします。

 

 

あなたはもう、次の段階に進もうとしている

 

もう、次の状態にあなたはシフトしようとしている。過去の悪は、本当に悪なのか?もう、見方も感じ方も変わっているのに、原因探しのトークセラピーは、歪みにエネルギーをそそぎ込み、あなたをそこに引き戻す力を強めている。

 

バイオダイナミクスの世界では、病変や歪みは、、本当の”原因”ではない。原因とは、病変や歪みを保持するために存在しているが、それは、健全へと繋がっている。健全が病変を保持している。それは、なぜか?重要な視点です。それは、あなたの全体を守るためにです。

 

 

あなたを守るため

  

例えば、交通事故で車に衝突したとする。普通なら物理的には、身体がバラバラになるような衝撃らしいです。そこで、あなたの身体に流れる健全は、その衝撃を病変(歪み)を作ることで吸収し、全体のシステムが壊れてしまわないように、歪みを保持します。あなたを守るために。バイオダイナミクスの施術では、その歪みそのものには焦点を当てようとはしません。その「”本当の原因”=健全」を見つけます。そこにアクセスし、再び健全に繋がった時、もう必要のなくなった歪みは自然と崩壊し、全体へと帰っていきます。歪みに奪われていたエネルギーは全体に帰り、あなたの生命力として回復していきます。

 

 

原因とは、美しく静かな性質です。

 

原因とは、歪みや病変の表層に現れた現象ではありません。病変の嵐エネルギーの渦、、そこに巻き込まれてはなりません。その表層の歪みに気を取られてしまうと、その病変にエネルギーを与えてしまいます。その見せかけの嵐の背景には、、必ず静けさがあり、健全につながっています。我々が回復するためには、健全へのアクセスが必要です。健全さの目印は、美しさ、静けさの性質です。

 

ソマティックエクスペリエンス(SE)

神経系に溜まったトラウマのエネルギーを解放するワーク。身体感覚を使って、脳幹にアクセスします。身体に残ったトラウマを解放することができます。

 

体からのトラウマ解放

身体のトラウマが解放された時、それに伴って感情や思考のトラウマも自然と解消していきます。これは後述する「脳の構成」から理解することができます。

 

身体感覚にアクセスする

 SEのセッションは、言葉によるやりとりですが、言葉により身体感覚に注意を向けてもらい、体からトラウマの解放を導きます。一応、SEにはタッチのセッションもあります。これは、主に神経系の自己調整を促す臓器(腎臓など)に触れ、神経系の調節を促すというやり方です、が、ロルフィングやバイオダイナミクスなどのボディワークの方がずっと優れているでしょう。

 

自己調整を促す臓器

例えば、腎臓は凍りつき反応(トラウマ状態)に入った時、前方上方に引き上がり緊張状態にあります。この臓器に手で触れてリラックス状態を導くことで、神経系はエネルギーを解放し、トラウマ状態から出てくることができます。

 

タッチセッションもあるけど、、

SEではタッチセッションも少しありますが、、ボディワークには素人のプラクティショナーであり、その体の深淵を知らないので、変容のための条件である場がうまく作れず扱っている領域は浅いようです。

 

トラウマ解放のサイン

 その際見られる現象には、細かい振動や涙や暖かさなど、体から解放されていく時のサインが現れます。このページの「しろくまの動画」をご覧になると体から解放されていくようすの例がわかると思います。

 

SEの優位性

・トークセラピーなどでは届かない、脳幹にアクセスできるため、体からトラウマを解消できる。

・ボディワークの方が人の全体としての変容には優れているが、、トラウマが大きすぎる方(人から触れられること自体が難しい方など)の場合にはセッションが難しい場合がある。その際には、心理の専門知識の豊富な(※ボディワーカーのSEプラクティショナーではなく)心理士さんのSEセッションが適しているでしょう。

 

ロルフィング

神経系を含め、人間の全体を扱っていきます。身体の構造が安定し、柔軟性と自由な呼吸にシフトしていく。身体が安定し本来の姿に近づいていくと心も安定し自由になっていく、そんなプロセスを現場ではよく目にします。

 

身体構造が整う、重力と調和する

ロルフィングは全10回で体の全体を順番に整えていきます。(※内容が各回決められた身体統合のプログラムです。)その結果、10回が終わる頃には体は整い、呼吸は自然に自由に、、足腰はしっかりグラウンドし、、手足や首は柔軟に自由になります。

 

コアの安定と、手足の自由

ボディワークの世界では、体は自分の内側の世界と、自分の外側の世界の有り様を表現していると考えられています。コアとは体の深層の構造、、(例えば仙骨〜背骨、頭、、内臓など。)その深層が整い安定すると、自身の存在が安定する。手足の自由さは、この世界での自己の表現。手足が固まり、縮こまっている、、対して自由に柔軟に軽やかに動ける。そんな人を想像してみてください。わかるでしょうか?

 

どのように歩いているか? それは人生を表す

『その人がどのようにして、部屋を横切っていくか。。その歩き方は、その人の人生の有り様を表している』。ロルフィングのムーブメントのトレーニング中に紹介された一文です。たしかに、その通りだと思います。ロルフィングの現場では体の変容とともに自身の内側、自身と外側の世界の調和が起こってくる、ということをよく目撃します。

 

体が整うと、心が整う

身体と心はつながっていると思いませんか? ロルフィングでは体が整うとともに様々な変容を体験される方が多いです。(詳しくは「体験記」ページをご覧ください)

 

トラウマ解放のサイン

バイオダイナミクスを使ったロルフィングでは、SEと同様に身体のトラウマが解放されていく現象(涙が流れたり、手足の自動的な動きなど)もみられます。

 

体には神経も含まれている

体の全体が変容していくボディワーク、、トラウマの解消にもつながっていくのではないかと思っています。SEでは、トラウマの解放として神経系のエネルギーの解放と、活性化した時に自己調整してトラウマから自動的に出てこられる柔軟な神経系を作ることを目的としています。では、ロルフィングでは? 体の全体を整えていきます。そこには、もちろんトラウマの原因となる神経系の変容も起こってきます。

 

 

バイオダイナミクス

〜編集中〜

 

ボディワークの優位性

神経系だけでなく、体全体を扱っている

ボディワークで体が本来の機能を取り戻した時、自然とトラウマも解消している。

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ボディワークでは、体の本来の機能を取り戻していきます。そこにはもちろん、トラウマに関わる神経系の回復も含まれます。

バイオダイナミクス、精妙な身体の現実世界

ロルフィングやバイオダイナミクスなど、ボディワークでは神経系だけを扱っているのではありません。この肉体を様々な領域にわたって扱っていきます。特にバイオダイナミクス、、そこには、一般的なボディワーカーやセラピストの知らない精妙な世界も、事実、存在しています。そこでは、神経系にとどまらず、身体の本来の機能を取り戻していきます。

身体本来の機能を取り戻す、神経系も回復する

たとえば、頭蓋骨と背骨〜仙骨までのリズム、、呼吸に合わせて何段階かのレートをもって健康な身体はリズムをとって動いています。これが阻害されてしまうと、呼吸ができないと苦しく不調であるように、、身体の機能は落ちしんどい世界に取り残されることになってしまいます。ここが回復し、身体本来の機能が取り戻されること、、つまり、それは同時に、、自動的に「神経系」の機能も取り戻されることにつながっているのです。

ボディワークの優位性、トラウマからの回復

トラウマの解放、、トークセラピーなどと比べ身体からのアプローチは安全で変化も早いといわれます。

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ソマティックエクスペリエンス(SE)は身体感覚を使った神経系からトラウマを解放するアプローチですが、ロルフィングなどのボディワークでは神経系だけではなく、体の全体の機能を本来の姿に回復させていくことができます。そのため、より深く人の全体としての回復を導くことができます。

 

ロルフィングで、トラウマの解放が起こる

ロルフィングやバイオダイナミクスの施術をしていると、トラウマ解放のサインが結構よく見られます。

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先に挙げたしろくまの反応のように震えや深呼吸、手足の動きなど、、が起こることがあります。(クマほど大きな動きはしませんが。。)実際、それで身体が変化し、心理的にも変化を感じる方もいらっしゃいます。

 

ロルフィングでは、体が安定する

体の安定は心の安定につながる、、そんな気がしませんか?

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構造の安定、自由な柔軟さ

ロルフィングでは身体の構造が整います。そのとき、土台がしっかりし足腰がグラウンディングする。身体に柔軟性が生まれ、呼吸が深く安定する。体がこわばりから溶け、自由になる。

トラウマ、凍りつき反応

トラウマとは、凍りつき反応でしたね?そこには、動きがなく、固まっている。フリーズ。。そこから動きが出てきて、柔軟になっていく身体。固まっていた呼吸が息を吹き返す。。それは、トラウマからの脱却の一面でもあると言えそうです。

ボディワークは、扱える領域が深い

ここで、さらにボディワークが優位であるところが、体の癒しが始まる領域に入れること。神経系だけではなく、体の全体の変容を促す場が作られ、体に備わる生命の自己治癒が発揮されること。

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体の現実、その深淵

ソマティックエクスペリエンス(略してSE)は優れたワークであり、一般的なトークセラピーなどと比べ安全で変化が早いです。しかし、SEを2年半ほど受けたことがあり、その後ボディワーカーとなった私から見れば、SEではボディワークと比べ変化が遅く、一回のセッションで少ししか、、表層しか扱えない、という感じがしています。それはバイオダイナミクスなどの身体の深淵を知らないセラピストは、扱える領域が身体の現実の表層に限られているからだと思います。

癒しの領域

SEのトレーニングを受け、まだバイオダイナミクスを学ぶ前のこと、、深い身体の領域に到達し癒しが始まるその領域はSEでは間違えた領域、、そこから引き出すようにとSEトレーニングでは教育を受けました。その頃のセッションは、もったいない。。身体には様々な領域があることを、ボディワーカーの方が知っていると思います。

癒しの領域から引き出される場合

しかし、確かに人によっては、その領域に入れない方がいらっしゃいます。そこに入ろうとするとトラウマの渦に引き込まれてしまう方、トラウマをたくさん抱えた方です。そういう方はその領域に入ろうとするとき、そこから引き出す必要があります。その場合は、まずはボディワークではなくSEのセッションを受けておくことをお勧めします。※癒しの領域に入れない方は、私のキャリアでは過去に2人ほどいらっしゃいました。

 

私のロルフィング体験、トラウマからの回復

私自身の経験で言うと、SEは初めの入り口として役に立った。しかし、変化は少しずつ。。その後、ロルフィングなど繊細なボディワークを受けることで格段に本質的に身体もこころも変化してきた。という実感があります。

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特にボディワークの中でもイールドワークとバイオダイナミクスです。本当のところに到達している、、真実の世界。それがロルフィングでありバイオダイナミクスであると思います。

 

※SEの方が優れている場合 

ここまでボディワークの優位性をお話ししましたが、すべての人に、というわけではありません。程度により、SEの方が優れているという場合もあります。それは、、体に触れられること自体が難しい方などです。これから少しずつ回復への道に入っていこうという方は、ボディワークを受けることができそうか、実際に会って相談してみてください。

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まだ、トラウマが大きすぎる

比較的に稀ですが、まだトラウマが大きすぎる方は、ボディワークを受けられるほどの耐性がない場合があります。耐性がないとは、神経系にまだ柔軟性がなく、活性化ですぐに凍りつき反応に入ってしまうパターンがある方です。この場合、ボディワークで癒しの領域に入る前に、痛みなどの症状が出てワークができないことがあります。

ボディワークが受けられる方

私の考えでは、ボディワークを受けられる方はある程度トラウマが解放されている方です。まだ、そこに至っていない方はボディワークが受けられる耐性がないかもしれない。。たとえば、しんどくて文字通り身動きができない方、人と全く喋られないなど。。かつて私はそうでした、だから、回復へのプロセスの入り口として、まずSEに出会えたことは幸運でした。

受ける際の目安

ある程度神経系の柔軟性があり、ボディワークを受けられるかどうか、その一つの目安として、セッションを申し込もうという気になった方。それが最低限の条件でしょう。本当に身動きできないほどのトラウマを持った方は、そんな気すら起きません。

あとは、実際のお会いしてセッションをしてみて判断しましょう。※重度の精神疾患として通院されている方は、医師の許可が必要です。

変化への入り口、少しずつ

そういう大きなトラウマを持った方は、(心理士ではないボディワーカーのSEセラピストではなく)まずは心理の専門家でもあるセラピストのSEセッションを受けることをオススメします。変化は必ず起こります。少しずつ、少しずつ、、焦らずに、回復への道への入り口に。。SEでよく言われることが「少なければ少ないほど良い」その方がのちに効果が大きいのです。

 

迷走神経の役割、トラウマ化からの回復

トラウマ化する仕組みには『背側迷走神経』が、回復する仕組みには『腹側迷走神経』の働きが密接に関わりを持っています。

 

迷走神経とは

副交感神経には2種類あり、背側迷走神経と腹側迷走神経があります。トラウマ化とトラウマの解放に主要な役割をしているのが迷走神経です。

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交感神経と副交感神経

神経系には、交感神経、副交感神経があることはみなさんご存知かと思います。交感神経が興奮させ、副交感神経が沈静化させる、という話は聞いたことがあるのではないでしょうか?しかし、トラウマでキーとなるのは、この「副交感神経には2種類の神経がある」 ということです。

副交感神経には2種類ある

副交感神経には、進化の過程から2種類に分類されます。これは結構最近の発見で、多重迷走神経理論(ポリヴェーガル理論)というものがあります。ひとつが背側迷走神経、もうひとつが腹側迷走神経といわれ、脳幹からの神経の出処の核が違い役割が違います。

背側迷走神経、爬虫類のゆっくりモード

進化の過程で古い時代に発達した神経で、爬虫類の時代に発達しました。この働きは、爬虫類で想像できるようにゆーっくりとした休息モードの働き、消化の働き、などがあります。これが凍りつき反応に大きな役割を果たします。

腹側迷走神経、哺乳類の繋がりモード

これは進化の過程で哺乳類が現れた時代に発達した神経で、乳類しか持っていない神経系です。社会性をもった他者との繋がりモード、安心安全を感じ、自由に心地よく過ごす時に活動する神経です。

ふたつの迷走神経、トラウマワークのキーとなる神経系

図1図2で示したような神経系の働きのうち、トラウマ化とトラウマの解放に主要な役割をしているのが迷走神経です。

 

迷走神経の重大な役割

危機的状況で、凍りつき反応を引き起こすのは『背側迷走神経』、回復するのは『腹側迷走神経』。それぞれの役割を解説していきましょう。

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※平常時では背側迷走神経は休息や消化の役割をします。

 

①背側迷走神経の役割、凍りつき反応

交感神経を無理やり抑え込む、例えるなら急激なブレーキ。神経システムは極度に高い活性化状態となっています。

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交感神経(興奮する性質)の高い活性化を、背側迷走神経(沈静化する性質)の高い活性化で押さえ込んでいます。神経システムは極度に高い活性化状態(交感神経+背側迷走神経)となっています。



凍りつきに至るプロセス

図から神経系の活性化が、凍りつき反応に至るプロセスを考察してみましょう。

②:逃走/逃走モード

脅威に出会い、神経系が活性化します。『交感神経』が活性化していきます。
↓ 
②と③の境目:凍りつき反応に入る

「交感神経」の活性化がどんどん高まり、もう耐えられなくなったとき、、神経のシステムは『背側迷走神経』によってシャットダウンさせられ、「凍りつき反応」に入ります。

凍りつき反応の仕組み

交感神経の高まりが限界を超えた時、その交感神経の活性化を無理やり、急激に、抑え込むということをします。そのシャットダウンの役割をするのが『背側迷走神経』です。爬虫類の時代に発達した神経、スローで休息モードの神経ですね。この背側迷走神経が高活性化し、その押さえ込みの働きを発揮して交感神経を抑え込むのです。

アクセル全開でブレーキ全力、高エネルギーを消費している

つまり、、交感神経をアクセルに、背側迷走神経をブレーキに例えると、、アクセル全開でブレーキ全力というとてつもないエネルギーが発生しているのです。もう、フル回転です。とても頑張っている、、エネルギー消費が極めて高く、動いていないのに、、とてつもなく疲れる状態で推移しているのですね。

 

②腹側迷走神経の役割、緩やかな解放

腹側迷走神経は、神経系の活性化を「緩やかに」解放していく働きがあります。神経システムは”脱”活性化されていきます。

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緩やかなブレーキ、”脱”活性化を促す

背側迷走神経はシステムをシャットダウンする急激なブレーキで余計に活性化していきましたが、『腹側迷走神経』はマイルドなブレーキで徐々に脱活性化を促します。

体がそうだった、だけ

腹側迷走神経は哺乳類にしかありません。コミュニケーションをとる社会性を持った動物にしかないのですね。この神経が働いていることが、健全な神経システムの一つの目安です。

ここが働いている状態、それは、ラクです。どんだけ頑張ってきたでしょう?それは、身体がそうだっただけなのです。

 

多重迷走神経理論(ポリヴェーガル理論)

上記の解説のように、迷走神経が背側と腹側の2種類に分かれ、それぞれ役割が違うことで神経システムをコントロールしている理論のことです。これは比較的最近の発見のようです。

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ある解剖学の授業で先生にそのことを質問してみると、、「ガセです。迷走神経に種類はありません。」なんて言われてしまったぐらいです。。(笑)

ポリヴェーガル理論からわかること

背側/腹側迷走神経の働きと神経システムのコントロールの仕組みがわかると、トラウマ化とトラウマからの回復について理解ができることがあります。

 

①トラウマ解放ワーク、危険な種類がある

大声で叫んだり、ものを叩いたり、暴れたり、、そういった解放ワークは再トラウマ化を引き起こします。

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危険なワーク

トラウマ解放を謳ったワークには様々な種類があります。しかし、中には危険なワーク、再トラウマ化を引き起こすワークがあります。ありがちなのは、大声をあげたり叫んだり、ものを叩いたり暴れたり、、或いは、感情を見つめ続けたり、、。これらが危険なわけは、神経系のシャットダウン、凍りつき反応で説明ができます。

トラウマとは、神経系の高活性化

トラウマとは神経系に溜まった高エネルギーの負荷のために、常に重荷を背負った状態にあることです。たとえば、大声を上げる、叫ぶ、暴れる、感情を見つめ続ける、、するとどうなるでしょうか?神経系の活性化はさらに上昇し、エネルギーはさらに溜められてしまいます。解放とは真逆の行為です。

嘘の解放、崩壊

では、危険な解放ワークがなぜもてはやされるのか?(1960年代、70年代に流行ったワークですね。しかし、現在では下火です。それが、このワークが長期的に見て、人を苦しめる結果に終わるひとつの証明でしょう。)

凍りつき反応、心地よさ

叫び、暴れ、、すると、神経系はどのように推移するでしょうか?交感神経が活性化し、、どんどん高まり、いずれは限界値を超えて、凍りつき反応には入ります。ここに入ると、、まるで解放されたかのような感覚を覚えます。ぼーっとする(食べられても痛くないように脳内麻薬がでます。)振り切れた状態です。ここは心地よい。しかし、異常に神経系は活性化して、本来危機的状況のモードに入っています。

神経系に、危険なパターンができる

日常を過ごす時、ラクなのは活性化が低く、哺乳類として社会生活を営むことのできる、つまり、安心安全モードで他者との繋がりの持てる状況です。それは、活性化が「低い」健全な状態。しかし、繰り返し危険な解放ワークをやると、(見た目は解放だが、トラウマ化している)神経系は活性化して凍りつきに入るというバターンを神経系に学習させてしまいます。しかも、神経系自体には解放は起こっておらず、逆にエネルギーの負荷は増している。このため、すぐに活性化しやすく、かつ、高エネルギーの回り続けている神経系が身体として出来上がってしまうのです。

こうなってしまうと、日常の生活はますます苦しくなってしまいます。

私もやったことがある。。

こういった類の解放ワーク、ずっと以前、、まだボディワーカーになる前の頃やったことがあります。確かに解放を感じました、、。しかし、後にやはり苦しみました。直後の翌々日くらいは、お腹〜横隔膜あたりにソワソワザワザワした感覚が起こり、ますます体は硬くなり、、。それが原因かわかりませんが、数年後、身動きの取れないような、、うずくまって日々を過ごすような時期を数年間過ごしてきました。

そこからの私の回復は、SE(ソマティックエクスペリエンス)とロルフィングでした。身を以て体験した学びでした。

 

②自己の内側に入っていく、瞑想は?

静かに目を閉じ、自己の内側に入っていく類の瞑想、、。それは、背側迷走神経の沈静化の働きを活性化せます。それは凍りつき反応の方向へ。

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凍りつき反応に入りやすい、つまり、トラウマを抱えた人は静かな瞑想をすることにより、より背側迷走神経の方向に入りやすくなる、という懸念があります。実際、活性化が高く、トラウマを抱えた人は瞑想中は良くても、瞑想後にしんどくなってしまうことが多いと思います。しかし、、。

 

③腹側迷走神経を、活性化させる

トラウマからの回復は、神経系を回り続ける高エネルギーの解放です。エネルギーの解放をさせるには?、、。その働きを担うのが、腹側迷走神経です。

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欲しいのは、柔軟な神経系

おなか側。哺乳類にしかない神経です。この神経が働くと、高まった活性化がマイルドにゆっくり解放されます。欲しいのは、健康で柔軟な神経系。それは、たとえ活性化しても自動的に腹側迷走神経が働き、脱活性化をして、、安心安全な状態に帰ってこられることです。

健全な、神経系のパターン

活性化しても、凍りつきに入らず、、自動的に腹側迷走神経が働き、脱活性化する健全なパターンを作っていくのが、SEというトラウマワークのひとつの目的です。

 

④高活性化は辛い、そこから抜け出す

 

⑤ぼーっとして、何もやる気がしない

 

⑥常にイライラしている、不安だったり、、。

 

⑦繋がりモード、そのためにできること

 

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トラウマの解放とは、「ゆっくり少しずつ」が大原則

急激な解放は再トラウマ化します。変化は「ゆっくり少しずつ」が鉄則です。

 

体には太古の昔からのリズムがある

急激な変化はリバウンドがきたり神経系の柔軟性を損ないます。キーとなるのは、ゆっくり少しずつです。脱活性化し神経系に溜まっている高エネルギーを解放する必要はあります。しかし、急激な解放は逆効果です。人間は機械やコンピュータではありません。体には体の時間が流れています。太古の昔から、、体はそうは変わっていません、近代の早い時間の流れとは異なります。

 

急激な解放は、再トラウマ化する

トラウマ解放ワークの中には、急激な解放をさせるものがありますね。これは、危険で再トラウマ化してしまいます。特徴は、その場では開放感や安らぎを得ますが、後々長い目で見ると日常が困難になって生きます。余計辛い状況にシフトしていきます。

 

再トラウマ化する理由、凍りつき反応を導いているから

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必要なのは、解放それ自体ではなく。柔軟な神経系になること。

神経系に取り残された未解放の高エネルギーを解放すること、これは必要ですが最終目標ではありません。解放それ自体が目標であっては意味がない。結果、求めたいのは日常を人生を本来ある自由な姿、つねに重荷を外した状態で居られるようになることです。

 

いくら解放しても、戻っては意味がない。

急激な解放はリバウンドが来て再トラウマ化しますということを既にお話ししました。少しずつ、解放をする。そのことで、神経系自体から徐々にエネルギーが解放されていきます。しかし、この解放それ自体が目的ではなく、安定した健康な神経系を作ることが目的です。

 

健康な神経系とは、自己調整の能力のあること

健康な神経系とは、何かが起こっても、また勝手に体が調整して、安心安全な状態に戻ってこられる。常に緊張状態やら、イライラやら、、不安やら、、そういったものから自然と解放が起こり、安心安全に帰ってこられること。体に備わる自己調整の力が十分に発揮されていることです。

 

 

トラウマの解放の際に起こること

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フリーズしていた過去のトラウマが解放される際、起こる現象があります。涙が流れる、震えや鳥肌、熱が放出される、動きの衝動がでてくる、体が勝手に動き出す、、感情が出てくる、過去のことを思い出す、、。神経系の観点から説明してみましょう。

 

トラウマのメカニズム

トラウマとは、どんなイメージをお持ちでしょうか?。。心の傷とか?感情や思考?それらは結果であり、元をたどると、、体に至ります。いろいろな側面から捉えられるかもしれませんが、ここでは神経系の仕組みとして考察してみましょう。

 

トラウマとは、神経系に閉じ込められた未解放の高エネルギー

ある草原で動物が草を食べてゆったり過ごしています。のどかです〜。すると、バタン!と音がしました。 (交感神経が活性化され、ます。) トラさんですやん!めっちゃ逃げます。 (神経系がますます活性化します。) 逃げろ〜!、、寅さん(?)まだ追いかけてくる〜、、まだ、まだ、まだ、、 (神経系の活性化はズンズン上がり続けます。) もうアカン〜。。バタン、、死んだふりします。 (交感神経の活性化の限界値を超えたのです。) この神経の活性化を無理やり押さえ込んで、シャットダウンしたのが、背足迷走神経という副交感神経です。つまり〜!、、最高潮の交感神経の活性化+(プラス)それを無理やり押さえ込んだ背足迷走神経の活性化(高活性化状態でがんばっている)。この二つの神経系が高い活性化状態で身体の中で回り続け固まっているのです。アクセル全開でブレーキかけて止めてる状態ですね。しんどそうでしょ〜? (youtubeには、捕食動物に捕まる前に、急にシャットダウンして硬直モードにはいる動画があったりしますよ。) この死んだふり状態は、高活性化状態の神経系が、ある閾値を超えたときにシャットダウンする、という生命の生き残りのためのシステムです。(死んだふりをすれば、獲物を見逃す可能性が時々あるのです。) ここからわかることは、神経系が高ぶって、、どんどん高ぶって、、シャットダウンするという流れ。 (シャットダウンする時の方が活性化が高い。針が振り切れた状態ですね。) シャットダウンした時、ぼーっとしています。解離状態です。 ”現実から離れてしまっている。” (食べられても痛くないし〜、、けど、神経系はフルに活性化して閾値を振り切れているのですね。)

 

 

ミニコラム
トラウマは一つ一つ解放させる必要はない。すべては、体とつながっている。

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トラウマ全てを(個々に)解放する必要は、ない。


ありがちなのは、「ある出来事に対するトラウマを、解放しましょう。悪の原因にだどり着き、そこを解放するのです。。」これは違うと思うんですね。


**


・個々の出来事についてのトラウマを扱う必要はない。


たとえば、あるヒドイ出来事があったとする、、。その出来事に対しての感情や、想いや、、、を扱い解放したら、解放される、、(?)、というのがよくあるワークですよね。

しかし、その出来事そのものが私たちの(あなたの)生きづらさの要因なのでしょうか? わたしは、むしろ次のように考えます。


『からだが、そうなっているのだ。。』


だから、考えや感情に。。結びついてしまうのだ。

過去に受けたトラウマによって、身体のあり方が変わってしまっている。 神経系は活性化した状態から、日常の脱活性化状態に帰ってこられず、、つねに危機的状況を体験している。。


その活性化の高い状態で、考えること感じること、、。それは、その人の世界のすべてに影響があるのではないか。その身体(神経系)の状態では、接する人や物事に対して、等しくシンドイ、、辛さを感じる。


その原因となった出来事、出来事そのものに「答え」があるのではなく、 その結果得てしまった神経系、つまり、身体にトラウマはあるのです。


”その体では、接するもの全てが『ひとしく』辛い。”


その、要因となった出来事を直接扱う必要はなく、すべての土台となる身体が変われば、、。 世界は変わります。

そして、あなたのその出来事に対しての感情や思いも、、自然と変わっています。


**


フラクタル。


物事全てを扱う必要はなく、、それらは、、私たちの身体を反映しています。 ひとつが扱われたら、、それは、すべてに波及していきます。


その大元をあつかう。
それが、ボディワーク(ロルフィングやバイオダイナミクス)なのだと思います。


すべては、体とつながっている。


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