トラウマワーク

わたしのロルフィングを受けに来られるクライアントさまにはトラウマや心についてご興味のある方が多いようです。

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いくつかわたしの個人的な見解をボディワークの観点からお話しておけたらと思います。(※わたしは心理療法はしていませんので、心理療法を受けたい方は専門家にご相談してください。)


トラウマ化される仕組みの概略

トラウマ化される仕組みを神経系の観点から簡単に解説します。

  • 神経系に溜まった未解放のエネルギー

 

トラウマ、それは、心の傷や過去の出来事そのものにあるのではない。体に衝撃が溜まりトラウマ化する。受けた衝撃が体に溜まっていることで、自由を奪われている。。神経系をエネルギーが巡り解放できていない、、ということをわかりやすく見てみましょう。

11:40から、しろくまをヘリで追いかけ、麻酔銃を打ち込みます。 13:18あたりで、しろくまが麻酔から覚める様子が撮影されています。

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身体システムのシャットダウン

ヘリで追いかけられ、交感神経は高い活性化状態となります。その後、麻酔を打たれることでシステムはシャットダウンされます。このとき、交感神経の高い活性化は解放されないまま閉じ込められ身体システムの中で回りつづけています。

脱活性化(目覚めへの解放)

麻酔から覚める時、しろくまはしばらくの間、震え続けます。これをdischarge(脱活性化)といい、閉じ込めれれていた神経系の高い活性化を解放しているのです。 自然界の野生動物はこの脱活性化を自然と行い、神経系の活性化レベルを通常状態の健康な状態にまで戻します。

  • 野生動物はトラウマ化されない!

上のシロクマの動画を見てわかるように、逃げる/闘う反応のエネルギーが、(動画では麻酔銃によりシャットダウンが起こり)体に閉じ込められます。野生の動物は、日常に戻ってくるときに、、涙を流したり、震えたり、深呼吸したり、手足を動かしたり、、と、体に溜まったエネルギーを全て解放し、、日常に帰ってきます。ですので、トラウマ化されることはありません。

 

  • 人はなぜトラウマ化されるのか?

ひとは、大脳が発達しています。そして、近代社会のありよう。ひとは、社会の常識や、こうでなければならない、その場の振る舞いなど、大脳により制御します。ショックを受け、涙を流したり、震えが起こり、、それが治るまで待つ。。ということは、できない。その時、体を巡る神経系の活性化エネルギーは解放される機会を失い、体に溜まる。。トラウマ化です。

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たとえば、ショックを受けたり衝撃を受けたり、、転倒したり、木から落ちたり、、駅のエスカレーターからこけたり、、解放の時間を与えず、すぐに体裁を取り繕わなければならない、、そんなことでも、トラウマ化される可能性があります。手術の麻酔など、これも体に大きなインパクトがあります。それの解放もしてあげなければ、、。でも、誰もそんなことに気がついていない。

 

  • トラウマとは、閉じ込められた未解放のエネルギー

シロクマの動画を見てわかるように、あれだけのエネルギーが閉じ込められたまま日常を生きていくのは、そりゃしんどいですね。ここで見てきたように、トラウマ化とは活性化した神経系のエネルギーがその解放の機会を失い、体(神経系)の中に閉じ込められることによって起こります。

 

  • 未解放のエネルギー、それで日常を生きていくのはたいへん

神経系が異常に活性し、、耐えきれずに、ある段階に来ると、シャットダウン=気絶します。死んだふり。ぼーっとして現実感がない。これは、見た目には止まって見えますが、非常に高い活性化状態です。一見静止しているようで、ものすごいエネルギーを抱えている=そのエネルギーを解放するのに失敗してしまうと、、日常を生きるのがたいへん。

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これは、野生の動物を観察すればわかることですが、脅威に出会った時=逃げる/闘う、という反応をします。しかし、逃げきれなかったり闘いに敗れ死に直面した時、死んだふりをします。

 

  • 一般に流布するトラウマワークが、なぜ危険か?

トラウマとは閉じ込められた未解放のエネルギーです。ここで一般にありがちな、感情を解放させようとしたり、出来事や感情を見つめて理解しようとしたり、ということが逆効果、ということがわかります。なぜなら、感情を解放させようと激しいアプローチ(叫んだり、暴れたり)をするとき、または、過去の出来事を思い出したり、感情に焦点を当てる時、神経系は昂ります、活性化状態が高まります。これは、本来やりたいことと、真逆ですね。解放をしたいのに、その解放のつもりで逆にエネルギーを追加してしまっている状態なのです。

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ですので、解放といってもエネルギーの追加にならないように、つまり、再トラウマ化されないように、という注意が必要で、それがトラウマにアプローチする時の大前提です。

 

  • SEでは、少しずつ少しずつ、が前提

 このように、再トラウマ化されないようにということで、ソマティックエクスペリエンス(SE)では劇的な変化ではなく、ほんのすこしずつ、許容範囲の中で、、その許容範囲を徐々に広げる、ということをしながらワークをします。これは、すごい遅いですし、なかなか進捗を感じられないような手法ですが、心理の業界では、最も安全で早い、という評価を得ているようです。

 

  • ボディワークの考え方

特に、オステオパシーのバイオダイナミクスの学びの中で得てきた現実についてですが、私たちボディワーカーにとっても、トラウマは体に残る、と考えています。そして、それは、手技によるアプローチにより解放されていくことができます。

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SEでは、神経系にのみ着目していますが、ボディワークは神経系のみではなく全体性を見ています。特に、、代謝が癒しを生む、代謝とは、生命力を循環させるもの、老廃物は排出され、滋養が行き渡る。癒しが、細胞レベルで波及していく、もちろん、脳も、神経系も。施術の時間だけにとどもあらず、施術により、代謝がおこり、、その後に日常を過ごすうちに、、体自身の力で癒しが進んでいく。その道が、閉ざされていた道が開き、可能性と癒しが、自らの力で進んでいくのです。そこに、本質があるのです。神経系を整えればトラウマから回復する、というSEの理論とセラピーがうまくいっているのなら、神経系だけではなく、全てを含んだ全体が、体が、本来の健全な状態にととのえば、トラウマからも解放される、というボディワークのアプローチが本質的に道理に合っているようにも思えます。

 

  • ボディワークでは扱えない領域=心理系にお任せします。

ただし、ボディワークは体を整えることを目的としており、心理や精神の改善を目的とはしていません。体が整った時、それらも改善されている、という結果があるかもしれない、というだけです。ですので、特に精神科にかかっている方など、医師の許可がない方はボディワークでは対象外です。専門の医師に通ってください。

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ボディワークで改善を目指すのは、何かを探しをしている、人生の本質をみつめたい、体を整える、それとともに、さまざまなことが変容していく、そこに価値を見出す方が対象になると思います。

 

  • 参考

・心理の世界とボディワークの世界から見たトラウマについて、間違えた危険なトラウマワークについて「心理とボディワーク」ページ。

・会話形式で神経系の解説をした「Q&A(トラウマとは)」ページ。

・以前作ったので少し古いですが、まあまあ詳細の説明をした「ソマティックエクスペリエンス」ページ。