姿勢について(編集中)

姿勢について、一般的に思われがちな考え方や捉え方と私の施術で提供される考え方との違いなどを書いてみようと思います。


 姿勢を正す?

一般的にイメージされるのは、良い姿勢になるために、胸を張り姿勢を正しくする。でも、私の考え方はこうではありません。これでは、逆効果。その理由は二つあります。

  • 胸を張り、姿勢を正しく、、とするとき、背中は圧縮され呼吸は詰まる。

胸を張って姿勢を正してみてください。猫背だった姿勢は一見良い姿勢のように見えるかもしれません。しかし、しんどいでしょう?気を緩めるとすぐもとに戻る。頑張っている分、呼吸は浅くなる。そして、構造的にみてみると、、?一見、胸は広がっているようで、背中はぎゅーっと縮ませています。見た目を真っ直ぐにするために背中が代償を支払っている。良い姿勢、楽な姿勢、自然な姿勢は、、圧縮ではなく解放に向かいます。すらっと伸びて所作も伸びやか。意図で体をコントロールしようとしているうちは、過緊張を生み出し逆の結果になっています。

 

  • 姿勢を正す、とは。コントロールを手放し、、自分の中心に帰ること。

姿勢を正す、ということは、、必要だと思います。ただ、その世界は一般の考える姿勢とは、ちょっと違うかもしれません。姿勢を正す、というとき。。なにをするでしょうか?胸を張り背中を縮めて頑張る、、というやりかたは、上の項目で説明したようにうまくいきませんし、そんなことする必要はまったくありません。(構造的に姿勢を正すということは、後ほど別の項目で説明します。)私が姿勢を正す、とき。それは、肉体の筋肉の緊張を用いて形や見た目を変えることを優先とはしません。では、何をするのか?それは、一言で言うと『自分のセンターに帰ってくる』ということです。自分の中心、自分のいるところ。何かに集中しすぎていたり、執着してたり、感情や思いに囚われている時、自分の中心からズレています。体は緊張し、バランスを欠き、思考はモヤモヤ、、。そんな場所は自分の本来の居場所、自分のセンターではありません。姿勢を正すとき、、それらの思考や思い、感情や、自分を中心からズラし絡め取っているものから離れます。思考や思いから距離をとり、、自分の中心に帰ってきます。その場所は、ロルフィングのベーシック10シリーズで近づいていく、自分の中心軸です。それは、空の中心と地球の中心をつなぐ大きな中心軸に含まれた場所、バランスがとれた自分のセンターです。そこは、コントロールや意図で何かをしようとするところではなく、自然な有様であるニュートラルな場所です。

 


真っ直ぐにしようとすると、グニャグニャになる。

一般的な施術や考え方では、良い姿勢に変えようとする意図を持つとき、曲がったものを真っ直ぐにしようとしますが、私はこのようなことはしません。

  • 真っ直ぐに、しようとするとき、どこか別の場所がそれを補う。

たとえば、猫背を真っ直ぐにしようとするとき、胸を張る、、このとき、背中を緊張させて縮めている。筋肉の緊張状態は、猫背の原因となっている筋肉の緊張+背中の緊張=で、緊張の追加で姿勢を保とうとします。前側が曲がっている+意図で後ろ側を曲げる=真っ直ぐな見た目。という構図。左が曲がっている+意図で右に曲げる=真っ直ぐな見た目。どれも緊張の追加、曲がっている原因プラスさらに緊張を追加。また追加、、また追加、、で体は複雑にぐにゃぐにゃに。どんどん窮屈になっていく。施術も同じ、真っ直ぐにしようとするとどんどん窮屈になっていく。

 

  • 中心軸がズレているなら、中心軸を戻そうとするのではなく、、中心軸を引っ張ってずらしている元を解消することで、自然と戻ってくる。

歪みや病変そのものは、症状として見えている表層に過ぎない。わたしの施術で見ているものは、症状ではなくその元となっている原因です。体の中心軸が右にズレているのなら、その右にズレている中心軸を左に持っていくことで真ん中にするようなことはしません。その中心軸をズラしている元となる原因を解消することで、中心軸は自然と戻ってくる、、。ということをします。たとえば、右にズレた中心軸、、右に引っ張っている何かがある、、ただし、それは、、斜め下に引っ張ってる+左に引っ張ってる+さらに強力に右に引っ張っている=右にズレている、かもしれません。そのときは、それら原因のひとつづつを扱う必要があるかもしれませんし、体の生命力の流れを取り戻すことで、それらは一度に一気に解消できることもあります。原因を解消することで、軸は自然と中心に帰ってくる。

 


自然体に帰るとは、『忘れる』こと。

一般的にみなさんが興味を持たれることは、感情の解放。トラウマの解放。でも、これなかなかうまくいきませんよね。逆に感情や出来事への結びつき、トラウマなどが強化されていく。しらずに、また解放をして、また解放のためのワークに通う。その場ではスッキリして、、でもまた通う。そんなワークが多いと思いませんか?

 

これは当たり前のことで、違和感に、感情に、フォーカスするとエネルギーをチャージしてしまい、より強化していきます。ためしに、身体感覚や周辺の違和感、嫌な音や匂いに気がついたとします。それに注意を向けてしまうと、、ますます気になり、より強化されていく。本当の癒しや解消はそんなやり方とは真逆です。違和感、問題そのものに癒しの力はありません。強化されていく。癒す力は別のところにあります。(癒す力、それは、この世界(の背景に)満ちている。。それはまた別の機会にお話ししましょう。)

 

感情にチャージされたもの、衝撃などでトラウマとして残るもの、それらは体に溜まっている、としたら?そのエネルギーのチャージを解消するためには、なにが必要なのか?チャージされたエネルギーを(神経系に溜まるエネルギー、または、筋膜や骨の中に圧縮として溜まるエネルギー)解放する、と同時に、健全、、本来の自分の姿で、解放と同時に満たされていくこと。同時に、純粋な生命力で満たされていく(=構造として安定された肉体、あるいは、健全な代謝の流れの構築。)ことが絶対条件です。

 

ただの解放で放置すると、、崩壊していくか、、または、もとに戻ったり、別の何かが入ってきてしまう。解放ワークの時に見かけの解放(実はトラウマの追加)をするためにエネルギーのチャージを追加してしまうと、トラウマはより強化されてしまう。

 

つまり、解放で放置することなく、解放と同時に統合されることが必要です。統合とは、解放して何かが抜け出た跡を放置せず、解放からの時間の差なく同時に、、健全で満たされ、全体としてまとまりを持つことです。

 

感情や人物、出来事に執着があったのが、、体が統合され、健全で満たされていくうちに、、いつのまにか忘れている。忘れていることすら忘れている状態。それが、トラウマや感情からの本当の解放ではないでしょうか。許す、や、解放、にこだわっているうちは、忘れていない、執着があり引きよさられ、いつまでも、感情に、トラウマに、苛まされている。

 

自分の中の健全に向かい、世界の背景に流れる健全に気がつき、

いつのまにか、わすれている。

 

  • 補足

統合を促すワークには、心理系ではソマティックエックスペリエンス(神経系のトラウマエネルギーのチャージを少しずつ少しずつ解放し、健全な神経系の構築を促し、世の中で哺乳類として健全な神経系を取り戻す。)があります。

※ロルフィングでは、感情やトラウマや心理を扱うことはしません。体の統合と安定、重力との調和を目指すワークです。体の安定と構造を取り戻す時、こだわっていたことや感情や考えていたことなどはいつの間にか忘れている、ということはよく観察されます。

 


姿勢は空間の認識にも左右される

たとえば、事故や手術、何かにぶつかった、などで気がつかないうちに自分の体と周りの空間の認識に偏りができていることが、あります。(というか、偏りのない人なんていないでしょう。)空間の認識に、抜け落ちている部分があるとき、それは姿勢に影響します。

 

たとえば、ボールがぶつかり、視野の中の右上の空間の認識が弱まっている時、頭は右か左に傾いている。この空間の認識を取り戻す時、頭は真っ直ぐに帰ってくる。。が、この認識を意識的にコントロールするときはできるが、意識することをやめるとまたもとに戻ってしまう。では、どうやって、この空間認識や感覚を取り戻すのか?

 

施術により、中心軸の偏りや、筋膜や代謝の滞りなどが解消されていくうちに、自然と正常に戻ってくる。それは、施術者が意図してできることではなく、からだの調整の能力が発揮され、治癒が進むうちに自然と、変わっていく。というように感じています。いつのまにか、頭痛がなくなっている、、わすれていた。そんな感じで。

 


つづく(編集中)