ちょっと実験してみましょう。
まな板の上には肉。その表面には透明な膜が!これが筋膜です。骨とのつなぎ目はもっと強くて白っぽい膜になりますし、これは細胞ひとつひとつをも包んでいます。「”筋”膜」と書きますが、筋肉だけではなく身体の中のあらゆる組織を包む「膜」のことなのです。
みかんのつぶつぶはひとつひとつ薄い膜で包まれています。 つぶつぶを包み込む膜、さらに一房一房を包み込む膜、そしてみかんの全体を包む薄皮、その外皮、と最小単位のつぶつぶから最大単位のみかんの皮まですべての組織は膜につつまれています。
筋膜の役割
このように人体でも小さな細胞から筋繊維、筋肉の束、腱、靭帯、骨を包み込む膜、内蔵、体全体を包む皮膚とあらゆる組織は膜に包み込まれています。この膜により、身体の中の組織は区別され、形を取ることができます。
もし筋膜がなければ身体の中のあらゆるものは混ざって液体になってしまうことでしょう。 この筋膜以外の組織を人体から取り除くと、筋膜だけで人の形をとります。(みかんの果汁を取り除いて、膜だけ残してもみかんの形をしているように。)
そして、この膜はお互いに切れ目なく繋がっています。例えば、一般的な解剖学書などでは骨と筋膜ははっきり分かれていますが、実際には筋肉を包む膜はそのまま骨を包む膜に繋がっています。 このようにして筋膜はあらゆる組織を繋げ、全身を繋げるネットワークを構成しているのです!
※アメリカのトレーニングでは解剖学の献体に触れる機会がありました。心臓、横隔膜、肝臓なども筋膜でしっかりと繋がって一体となっており、その様は膜というより”皮”で繋がっているかのようでした。