ドルフィング?
ロルフィング( Rolfing )です。 正式に認定された施術者は、日本ロルフィング協会のWebサイトに名前が必ず載っています。
※ロルフィングができるのは、正式にトレーニングを受けた認定ロルファーのみです。
ロルファーって何?
ロルフィングの施術者のことです。
ロルフィングは、痛くないですか?
服を着たまま受けられますか?
服を着たまま受けられます。痛くはありません。
わたしの手技は、軽く触れることで内側からの変化を促す「バイオダイナミクス」を用います。そのため、服を着たまま施術できますし、痛くはありません。
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※ロルファーにより手技は異なります。強圧で皮膚をスライドさせ筋膜を伸ばす(服を脱がねばならず、痛い)手技を使う施術者が一般的ですが、私は違います。
10回を終えるまでには期間がずいぶん長くかかるような気がします。
半年とか一年間くらいかかるのですか?
だいたい2〜3ヶ月くらいが一般的です。
1週間の間隔で受けると2ヶ月半くらいになりますが、 途中で予定が出来る期間があっても、だいたい3ヶ月くらいが一般的です。
目安の施術期間は1〜2週間のようですが、
それ以上空くと効果は落ちるのですか?
1〜2ヶ月ごとに受けられる方もおられますが、効果が落ちるということはありません。
ご自身にあったスケジュールを組まれると良いと思います。
軽く触れて体の動きや変化の方向性を尊重する「バイオダイナミクス」を用いますので、体に矛盾が起きにくく期間が空いても安定した変化が継続し、体に負担がありません。
どんな人が受けるの?
身体の可能性を求める人ならだれでも。
カフェなどで行き交う人々を見ていると、よく思うことがあります。人はいろいろな制限の中で過ごしているのだなと。しかし、もっと自由になり得る。優雅に、より自然に。その可能性を感じます。
ロルファーを選ぶ基準は?
ロルファーにより手技はまったく異なります。人柄も含めて相性の良い方を選択されるとよいでしょう。
身体の変化は頭で考える理屈より深いところで起こります。ロルファーと良い関係を築くことができ、身体が安全だと感じられることが大切です。ご自身に合う手技を持つロルファーを探すと良いと思います。
セッション中、眠ってしまってもよいのですか?
はい。眠っていただいて大丈夫です。ただ、私の施術で起こることは、一般的な睡眠とは違う意識状態です。(※無意識と意識の狭間、眠りと覚醒の間で体は調整を始めます、単に眠っているのとは違います。)
ご自身の身体の観察者を完全に放棄した状態。無意識の領域での変化です。このとき、より深いレベルでの変化が起こります。バイオダイナミクスの癒しの領域です。そこでは、体に残された深いトラウマ(=神経系に残された衝撃)が解放されていくかのような、細かい震えや深い呼吸、顎が動いたり、手足が動いたり、することがあります。眠っているようでいながら、受け手の方もそれに気がついていることが多いです。
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私のワークでは、バイオダイナミクスやイールドワークの技術を使用しているため、( 一般的な物理的な圧力で組織を変形させるのではなく、)深い意識状態に移行して、脳神経が新しい体のあり方をプログラミングする領域に移行している必要があります。
そこでは、ただの筋膜や筋肉など組織を外力により変形させる以外の自己治癒の力が働いています。そのため、一般的なロルフィングとは異なり、眠っていただくことで深い癒しが起こるため、むしろ良いことなのです。
※ロルファーさんの中には、常に眠ってはいけない、という方もおられますが、 その方と、私のセッションでは扱っている領域が異なります。どちらがよい、ということではなく、扱う変化の領域が異なる、ということですね。
ロルファー(施術者)によって手技が全く違うってどういうことですか?
ロルフィングにはレシピがあり、各セッション1〜10までの施術を行います。しかし、そこに具体的な手順のマニュアルはありません。各セッション毎に定められた変化の目標を達成できれば、手技は何でも良いのです。
例えば、気功(?)の先生が「ロルフィング10シリーズのレシピを理解し、各セッションの目的を達成するように」気功の手技を使えばそれはロルフィングです。また、ぎゅーっと押す指圧やボキボキするカイロの手技で各セッションの目的を達成して10シリーズを行えばそれもロルフィングです。
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ですので、用いる手技は人によって全く違います。バックグラウンドや個性も反映されていると思います。
一般的なロルファーは強い持続圧を用いる方が多いのですが、それはロルフィングの学校で習う手技が「強い持続圧で素肌を滑らせ筋膜を伸ばす方法」だからです。
しかし、それぞれのロルファーは学校を卒業した後でも学びを深めて行っています。その中でそれぞれの得意分野や個性によって用いる手技も多様化していくのです。様々なタイプのロルファーがいますので、ご自身と相性のよいロルファーを選択することができます。
全10回完結後、元に戻ったりしないのですか?
戻りにくいと言われる理由として、ロルフィングの次のような特色があるでしょう。
全体が調和しながら、順序立てて変化してきたということ。
身体構造が変化し、すでに自分の中心が変わっていること。
動き、所作、身体の使い方が、以前とは変わっていること。
一部分だけが他を無視して変えられたのではなく、あらゆる部分がお互いに関わりを持ちながら変化していきます。元に戻るには、そのあらゆる部分を元に戻す必要がありますが、戦略なしに偶然元に戻すことは至難でしょう。
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・クライアントさまが気づいていない身体の癖や動作パターンの傾向を元に、意識の向け方や身体の使い方を提案したり、気づきを促したりします。日常の姿勢や動作への提案も行います。また、日常生活でのご自身による気づきもあるでしょう。もちろん個人差はありますが、セッションを重ねるごとにクライアント様の身体感覚が鋭くなっていきます。そうなると、日常生活のなかでの自身の在り方にも自然と注意が向き始め、疲れてしんどくなる前に今の「しんどくなりそうな姿勢」に気づくようになります。しんどくなっていくことがわかっているのにしんどい姿勢を維持することは減ります。その気づきを持つということは、ラクな姿勢、居心地の良い場所を自身で選択するようになってきているということです。つまり、生活習慣も自然と変わってくるということがあります。
・セッションが進むにつれ「普段の姿勢」が変わり、「自分の中心」の位置が変わってきます。より重力と調和した身体では、重力は身体の中心線をスーッと通り抜けていきます。かつて、重力は身体を引きずり落とす力でした、しかし、その力が働きにくい、つまり元に戻す力が働きにくい構造になっているということになります。
・身体が変化するということは、立ち止まって静止した姿勢が変わるということだけではありません。動作、所作も変わっています。あらゆる関節の関係性が変わり、ジョイントの連動性は変わっているでしょう。また、内臓空間を圧迫していた姿勢から解放されたとき、内臓の流動性が変わり、その働きに影響があるでしょう。神経組織の圧迫などにも変化があり、その働きにも影響があるかもしれません。ただ足元のサポートが変わるだけでも、身体を重力に委ねられる、それはラクなことが容易に想像できますね。
より効果をあげる為にできることはありますか?
身体が調整をする環境を作るという意味では、下記のような事が良いかもしれません。
セッション後、その日は水を多めに摂ること。
セッション後、その日はゆっくり休息をとること。
日常生活で、荷物をもたずに歩く時間をとってみること。
身体が動きたいように歩く。以前はまっすぐだと思っていた身体の位置は変わってきています。 セッション後も変化は継続し、脳は新たな重力との関係を築きつつあります。歩くことで重力下での新たな調整する時間を持つことができます。また、その時間を持つことで以前とは異なる新たな変化への気づきがあるかもしれません。
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・水を摂ることは、代謝を促進し不要なものを排出し、必要なものを取り込む、その循環を助けるでしょう。また、固まっていた組織が柔軟な瑞々しさを取り戻す際に、大量の水が必要とされることも理由のひとつです。セッション後、新しい身体に生理学的な変化を促進させる環境を作るのに水はよいと思います。
・変化の機会はセッション中に施術を受けている時間だけではありません。とくに、その日の夜はセッションで受け取った情報を身体(脳)が処理する時間としてゆっくり過ごされると良いと思います。
・自然な状態で歩くことは、その動きの中で身体の調整が行われます。新しい身体での関節の動き、重力下でのあらゆる関節の新しい位置関係、あらゆる筋肉の連動性。体がそれらを学習するよい機会となるでしょう。
なぜロルフィングでは効果を維持出来るのですか?
身体の構造が重力下でバランスされてくること。
身体による自己調整能力の回復。
動作を通じて、無意識の緊張を解いても良いと身体が納得すること。
姿勢にも影響を与えていた空間認識の回復。
かつて重力はある部分に負担をかけ姿勢を崩す要因となっていました。しかし「重力と調和した」構造では、重力は無理なく身体を通り抜けていきます。負担を全身に分散し身軽になっていくことでしょう。そして不安定だった足下は安定し、自分の存在を大地に委ねる拠り所となっていきます。このバランスされた身体は効果の維持を助けることでしょう。
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・身体を無意識の内に常に調整しているのが脳幹(爬虫類脳)です。思考レベル(大脳)で身体をコントロールすると気を抜くと元に戻りますが、身体を無意識のうちに調整している脳幹(爬虫類脳)に働きかけることで変化は定着されます。この無意識レベルでの身体の変化・脳の学習は変化を継続させるでしょう。つまり、身体の持つ本来の力の回復です。
・人の過去には歴史があります。過去のトラウマ的な出来事に対しやり損ねた防御の姿勢・逃げる動作などを現在も継続して行っていることがあります。セッションを進めて行くうちにその動作が出てくることがあります。それをやり遂げ、身体が納得すること。それにより現在でも無意識の内に行っていた緊張からの解放となることがあります。もうやらなくていい防御、逃げる動作。それは身体を別の世界に変えることかもしれません。
・姿勢を崩す原因ともなっていた空間認識の回復。事故などの衝撃により、身体周辺の空間の認識には偏りがあることが多々あります。(なぜか右を見るのが難しいなど。)その空間認識の欠如を埋めること。新しい空間は自分の身体にも影響を与えます。
元々正しい姿勢だったのが習慣で悪くなったのに、ロルフィングを完結するともう悪くならないのはなぜ? 書いてあったけど爬虫類脳(脳幹)にアクセスすることが維持につながるのですか?
ロルフィングを受けると、体が進化するということです。
体はストレスを受けにくい、受けたとしてもすぐに回復できる柔軟な回復力を持っています。
姿勢を正すために、常に気をつけているのは不可能です。姿勢を制御しているのは思考をつかさどる大脳ではありません、爬虫類脳と言われる古い脳の部位です。そこを変えるためには、言葉や意識では無理です。体(=身体感覚、脳による新しいプログラミング)で学習することで、体は根本から変化をします。
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次の段階に達した「わたし」は、そこからどこにいくのか、人それぞれにまた違う選択があるでしょう。
ある人は、日常生活のなかで身体との新しい関係性を感じながら生きていき、 ある人は、しばらくしてさらなる先を見にロルフィングのアドバンスコース(10回シリーズではありません。回数は自由に設定できます。)を受けることを選択する、または、その間に受けた影響から調整、メンテナンスとしてセッションを受けに来られる方もいるでしょう。
またある人は、SEなどの身体を入り口とした心理の世界に入っていくかもしれません。 それとも、別の面白いボディワークに出会うかもしれません。
そこから、また新たな段階の人生が始まります。 完璧は人などいない、これだけ変化したのに、まだまだ良くなっていく余地がある。可能性は無限です。
筋膜って何ですか?
ロルフィングといえば筋膜、というほどワークの効果に貢献している組織です。この組織には、様々な層で身体の中の繋がりを作っています。その膜の繋がりを利用して、全身にアクセスすることが可能となります。
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例えば、おでこのあたりから頭の上〜後頭部〜背面〜太腿の裏〜足裏までをつなげる層の膜があります。その人の身体の状態によりますが、テニスボールなどを踏んで足裏をマッサージして柔らかくすると、前屈がやりやすくなる方が多いです。足の裏なのに!
ワークに関するQ&A
それは、私のロルフィングで使っている手技に理由があります。その技術は、「軽く触れるだけ」で深い癒しを導くことのできる「バイオダイナミクス」です。そこでは、体自体の持つ自己治癒の力によるとても深いレベルの変容が起こります。
ロルフィングにはレシピがあり、体を変容させる力があります。世界中でその効果は証明されています。一般的なロルフィングでは、歪みを解放するために強い圧力で筋肉をマッサージしますが、わたしの手技は軽く触れるだけのバイオダイナミクスです。そこには、その手技単体でも深い癒しの効果があります。つまり、私のロルフィングにはレシピの力と、バイオダイナミクスの力の二つが効果をもたらせます。
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私がかつて使用していた手技はYielding Work(イールドワーク)と呼ばれる手技をベースにしていました(※近年では、さらに深い癒しを導くバイオダイナミクスをベースにしています)。
これはクライアントと施術者との「間合い」を大切にし、身体が安心、納得する状態を引き出していくものです。
安全な場の中で、ワークをきっかけに自己調整能力が発揮され、身体の癒しのプロセスが始まります。 この中で、自発的な動き(軽い痙攣や、呼吸の変化など)が起きたり、能動的な動き(何かを押したい、蹴る動作をしたい、首をまわしたい、など)への衝動が出てくる事があります。その動作を終える事でまるで身体が納得したかのように変化を観察することができます。
この手技で引き出される変化は身体の最も奥深い場所で起きています。
そして、やはりロルフィングのレシピの存在です。これにはロルフィングの各セッションについての理論や目的が記載されており、全てのロルファーはこれを元にセッションを組み立てています。ロルファーが使用する手技によらず、レシピに沿うことで大きな実りをもたらしています。(世界中にロルファーは存在し、日本だけでも約120人のロルファーが存在します。)
ロルフィングのレシピ自体に力があるのです。
その時々の現在の瞬間に起こっていることに耳を澄ます。介入するのではなく、身体の求める願いに寄り添うような手技。これは私の歴史のなかでこれまで積み上げてきたもの、私の特性が最大限に発揮できる手技だったのです。
(※近年は、イールドワークよりさらに深く繊細なバイオダイナミクスが私の手技のベースにシフトしてきました。)ロルフィングのトレーニングでは強い持続圧をかける手技を習います。私も初期の頃は強い持続圧を用いる手技を使用していましたが、人の身体を「変えよう」とすること、目的の身体に「変えようと」頭で分析し、そのための戦略をクライアントの身体に当てはめて行くことで成功するか、失敗するか、ということに心の底から納得ができないと思っていました。(それにとっても痛いですし!)
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それから様々な手技を勉強するうちに「Motility」という手技を知りました。これは強い圧力を用いず、ほとんど触れているだけの手技です。このとき身体の自己調整の力を引き出す手技があることを知りました。
自身がSE(ソマティック・エクスペリエンス)と呼ばれるトラウマワークを受けていた時期でもあり、この自己調整を促す手技という方向性は自身の指針となってきました。
さらに勉強を重ねるうち、「Yielding Work(イールドワーク)」という手技に出会いました。 Motilityよりさらに介入の少ないワークです。触れることだけではなく、施術者とクライアントの間合い、その存在の仕方、見守り方などが影響してくるのです。不思議ですが、、リアルです。
その時々の現在の瞬間に起こっていることに耳を澄ます。介入するのではなく、身体の求める願いに寄り添うような手技。これは私の歴史のなかでこれまで積み上げてきたもの、私の特性が最大限に発揮できる手技だったのです。
※その後、さらに学びを深めるうちに「バイオダイナイクス」にたどり着きました。バイオダイナイクスからみるとイールドワークも意図的で介入的でした。
「私のワーク」ページにセッション中の写真を掲載していますが、目は閉じていません。セッション中に目を閉じることはないですね。何かを念じたり、祈ったりしていることもありません。「常にリアルな現実に対する感覚を研ぎすましている」という感じでしょうか。
※上記はイールドワークを手技として使っている時代のものでしたが、その後、 バイオダイナイクスを使って施術をするようになり、目を瞑ることもあるようになりました。それは、バイオダイナイクスの世界では、この日常の空間とは別の世界にシフトしていきますので、そこでは、この三次元で普段つかっている身体感覚とは、感覚の使い方、知覚の仕方が異なります。そこでは、目をつむっている方が、”見える”という場面もあるため、そういった場合は目を閉じています。
私が初めてロルフィングを知った時、その最大の関心事は『解放』でした。しかし、ロルフィングとは、単に解放だけではなく、同時に必ず『統合』が行われます。『統合』これが、ロルフィングの、体の、最も大切なことです。
「体験記」に書いてくださったM.T.さん(40歳、女性、雑誌編集者)の感想のような事例はロルフィングのプロセスで観察されることがあります。今までの自身の歴史で受けてきた過去の呪縛からの解放。その願い。それは私個人的な関心でもあり私のセッションの特性のひとつかもしれません。
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ただし、ロルフィングの目的は「統合」であり、「解放」そのものがゴールではありません。 解放が起こることで身体が統合に向かっていく変化が観察されます。しかし「解放」とはロルフィングのプロセスで起こるひとつの事象にすぎません。ただ身体のストレスの「解放」を繰り返すことが目的ではないのです。
それでは「統合」とはどういう状態のことをいうのでしょうか?
「統合」された身体とは、身体の各部の関係性がバラバラな状態から相互に関連し全体が連動する一体感、流れのあるような全体性を回復した状態をいいます。この状態をゴールとしてセッションは積み重ねられます。
この統合された状態にあるとき、身体はストレスや衝撃に対する耐性、許容範囲が増していることでしょう。 あるストレスや衝撃を受けたとき、そのストレスを身体の中に溜め込まず、流してしまえる。そのような統合された身体を目指しているのです。
解放と、統合って何?
解放されると、幸せになれるんじゃなかったの?
実は、統合されない解放はキケンなのです。。
ロルフィングの(あるいは、バイオダイナミクスの)最大の特徴は、解放して放置しないことです。必ず、体は『統合』されることが必要です。解放と統合の大きな違いは、解放=バラバラにすること、と、統合=まとまりがあること、です。
体は、あなたは、理由があって、その状態を維持しています。体が悪いわけではありません、体はベストを尽くして、今のあなたの体を維持してくれています。今の状態で安定できるように、ベストを尽くしている。ただ、さらに楽に健全になるためには、誰か(=ロルファー)の助けが必要なだけです。体が崩壊しないように、ベストを尽くして、恒常性を維持している。(ここがポイントです。)
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誰しもラクになりたいですよね。わたしのこの世界に対する望みでもあるかもしれません、、。ロルフィングはそれを助けます。
では、「解放してラクになる」というのはどうでしょうか?
このフレーズは人目を引きますし、巷で流行ります。ただ、専門的な知識なしに(あるいは、あっても)解放を行ってしまうと、逆に調子が悪くなってしまう、ということは、頻繁に耳にします。(ソマティックエクスペリエンスというトラウマワークのトレーニングに参加し、心理系のセラピストたちと交流があり、よく聞きます。)
解放の、危険性とは?
解放して、緩めて、バラバラになる。
そして、「その直後、その瞬間は、本当に心底解放され、本当の自分に出会ったかのように、感じる。」
わたしもこういったワークをかつて受けたことがあり、よくわかります。
しかし!、すぐに戻る、、戻るだけではなく、さらに、悪い状態に、さらに世界の刺激に対して敏感になってしまい、この世にいづらくなる。くるしい、しんどい、目が痛い、喉が閉まる、、(なんて、ことを聞くだけで調子が悪くなる方もいますので、この辺で。。)
解放して、緩めて、、何が悪いのでしょうか?
それは、バラバラになることです。
バラバラになってしまい、あなたの体はひとまとまりの安定した存在ではなくなってしまうのです。
つまり、解放でおわり、その後、『崩壊』してしまうのです。崩壊は苦しい。
後のことを考えず、そこでおわり、その後の苦しみには、解放系のワークをするセラピストはみてくれません。
硬くて、狭くても、、あなたの体は、周りの環境に対して、或いは、
自分の過去に受けた歪みに対して、
対処し続けてくれており、そこで、バランスを取っていたのです(!)。
それを、ただ緩めて解放すると、、バラバラになってしまい、まとまりとしての機能を失ってしまします。これが、崩壊です。
では、統合とは何か?
ロルフィングや、バイオダイナミクスでは、何をしているのでしょうか?
統合とは、
一旦、解放は起こります。緩み、バラバラに解放されますが、そこで終わりません。
必ず、全体がひとまとまりになるように、安定した存在、調和した存在に、まとまりを持ちます。
調和するのです。
そこには、開放感や安らぎがありつつ、安定とグラウンディング、
しっかりと、この世にいる現実感。
軸がしっかりとし、重力と調和する。
ふわ〜っとどこかにいってしまうのではなく、
いま、ここにいる。
コア(=体幹)は大地に根付き(=心の安定)、
手足や頭は空間を自由に動く(=自由な自己表現)。
解放で終わらず、統合を考えているワークを見分けましょう。
私が知っているものでは、次のようなものがあります。
・ロルフィング:
10シリーズのレシピにより、身体構造が安定と広がりを持ちながら、全身が調和へとシフトしていく。ロルフィングでは、ただ歪みの解放や痛みなどを治すのではなく、全身が調和した高いレベルの統合状態に移行します。(他のどんな良いワークを見ても、ロルフィングほど体が整うワークはみあたりません。)他のボディワークなどと一線を画した『体の進化』を扱うワークと言えるでしょう。
・SE(=ソマティックエクスペリエンス):
体からアプローチした心理系のワーク。トラウマとは、心の傷ではなく神経系に残された過去の衝撃である。大脳や感情ではなく、トラウマのエネルギーは神経系をつかさどる爬虫類脳(=脳幹)に残されており、言葉や感情では届かない。体=身体感覚でトラウマにアクセスできる。※私の個人的な感覚では、SEは体のうちの限定された表層しか扱っていないため、ボディワークが受けられる方(※触れられることが難しい、触れられることですぐにトラウマに引き込まれてしまう方はSEのほうが適していると思います。)には体を整えるワークがより効果的ではないかと思っています。
・イールドワーク:
軽く触れるだけで変化を促す。間合いや、空間認識を大切にしたワーク。受け手の体(=自己調整の能力)を尊重したワーク。かつての私がロルフィングの手技として主に使っていました。
・バイオダイナミクス:
最も根源的な、体の現実を扱うワーク。私のロルフィングの手技のベースになっているワークです。非常に繊細で、深い、意識と無意識の狭間で体は調整を始めます。軽く触れるだけです。
ロルフィングを全10回受けるとどうなるか?
ロルフィングのレシピに従い、順にセッションを積み重ねることで身体の再構造化に必要な条件が徐々に整っていきます。土台のサポートが安定し、上半身の自由度が増していきます。表層の組織の柔軟性が得られ、体内空間が広がることで深層の組織が制限から解放されていきます。そのとき、あらゆる関節の可動域が変化し、骨や内臓などの位置は変わっていきます。その立ち姿は重力とより調和した状態となり、歩き姿や所作はより自然なものとなっていきます。
10回を受けることの意味とは?
意識(頭での理解)の範囲、無意識(身体が自動的に行ってくれる自己調整)の範囲での身体の学びがあります。これまで気づいていなかった新たな選択肢を得ること「こうすることもできるのだ」「こう在ることもOKなのだ」というような気づきを言葉や動作を通じて伝えることがあります。これは意識を通した学びです。それと同時に、身体の無意識の領域での気づきを促すこともします。こちらは主にマッサージテーブルでの施術を通して行われ、ご自身では気づかない領域での身体レベルでの変化・気づきです。ロルフィングとはご自身を知る学びの機会でもあるのです。
身体の全体がまとまりをもって統一感をもつようになります。ある部分が頑張って姿勢を保つのではなく、全身の各部分が協力し合って調和を保つことができる身体になっています。気になっていたところ以外の変化も促されていきます。
「首の痛みがテーマだったのに、それだけに収まらず背中が緩み、胸が緩むことで気持ちも変わった。」「身体感覚が鋭くなったのに、特に意識をすることもなく楽な状態で居られる。子供の頃の感覚を思い出した。」などとのコメントをいただくことがあります。
10回を受けると完璧な身体になる?
ロルフィングを受ける前の身体が「悪い」とは考えていません。それはそれで、重力下で倒れないように、また周辺の環境、現実世界に対してベストを尽くして対応し、それなりにまとまって現在の身体を維持してくれています。現在は現在で「最善」なのです。そして、ロルフィングを受けるプロセスで圧縮され歪みをもって現在の姿を保っていてくれていた身体は、一旦緩められ、解放されて行きますが、そこで終わりではなく新たにまとまりを持った身体へと「統合」されていきます。ただ緩め、解放するのではなく、次の段階のまとまりのある身体へと変化していくのです。このとき、重力や周辺環境とは新たな関係性を築いており、バランスの取り方が変わった身体となっているのです。ロルフィングとは新たなレベル の身体へ移行することのできる「身体統合」のプロセスなのです。
※ただし、10シリーズ完結の状態が完璧であるとは考えていません。世界は緻密で無限の要素で成り立っており、ある施術を受けることで身体が左右対称で完璧になることはありえないと思います。言いかえれば変化の可能性は無限です。さらに新たな変化、統合状態へ向かっていくことを目指すこともできるでしょう。それには、ロルフィング以外にもよい施術はたくさんあるとおもいます。ロルフィング10シリーズはその中でも「現在から次の段階への身体へ移行する」意図をハッキリと持った全10回で集中的に行われる一つの手段です。
セラピストは誰か?
ロルファー(施術者)は身体統合の理論に従い、クライアントさまの身体に変化のキッカケを与えて行きます。ご自身の身体がそれに反応し変化への調整が自然と始まります。セッションが終わり日常生活に帰っていくと、重力の中で身体の各部分は他の部分との釣り合いをとりながら収まるところに収まって行きます。それは考え抜かれたロルフィングの理論に支えられ、次第により安定した、気持ちのよい場所に落ち着いて行く。徐々に、重力と調和していくのです。
キッカケはロルファーが点火し、クライアントさまの身体が反応する。そして、重力の助けを借りて身体の統合が進んで行く。ロルファーがすごいというのではなく、ご自身の身体のすごさに気づいていかれる。それが私たちロルファーの願いでもあると思います。
ロルフィングが他の療法とどう違うのか?
その症状に対する解決策はどんなものがありますか?
このページには、解剖学などの記載や、それぞれの症状に対するアプローチなど少し難しい内容が書かれています。根底にある考え方は、「全身のバランスを整えて、筋膜のトーンが均質化することにより、部分の負荷が減り、身体本来のデザインの通りに機能するようになる」ことにあります。